90話 ページ41
Aside
ふっと意識が浮上する。小さな話し声が、すぐそばからたくさん聞こえる。
「何が喜ぶかな、Aちゃん」
「やっぱ、甘いものとか」
「スイーツかぁ。どんなのがいいかな」
「…クッキー、とか？食べる量調節しやすいものがいいんじゃない？」
ふと、右手に暖かさがあることに気づいた。
ぼんやりと、誰かと手を繋いでいるんだなと思う。
うっすら目を開く。続けて、ぱちぱちと瞬き。
白い天井。かすかに香る、薬品の匂い。
私が寝ているベッドを囲む、幹部の皆様。
「…A」
柔らかい、包み込むような声が聞こえて、目線を隣にずらす。
「…良かった。無事で」
頭を撫でてもらえて、心地よくて目を細める。
「Aちゃん起きた⁉︎」
スマイル様が声をかけたことで気づいたのか、談笑をやめてパッとこっちを見るしにがみさん。ほぼ同時に、皆様も目を見開いてこっちを見る。
『ご心配おかけしました』
「ううん、大きな怪我なくて良かった」
皆様が温かい言葉をかけてくれる。嬉しい。
『あんまり、役に立たなかったですけど』
「そんなことない、充分だよ」
なかむ様が笑顔でそう言って、皆様がそうだそうだと褒め称えてくれて、
…なんて、幸せなんだろう。
『……あれ、私、どうやって城まで…？』
思い出せない。戦いの最中で記憶が途切れている。
あの時、援護に向かってくれていたのは、
『…ゾムさん、ですか？』
恐る恐る尋ねると、ゾムさんは頷いた。
「せやで。Aさんが切られそうになっとったから慌てて抱き上げてかわして、そんで逃げたんやけど、Aさんその時にはもう気失ってて」
ひぇぇ…味方最大の脅威とか呼ばれてる人を私の救助のためだけに走らせてしまった…⁉︎
『…ご、ご迷惑おかけしました！』
「大丈夫やって！あんまり自分責めんとってやりぃや」
『…は、ぃ』
消え入りそうな声で返事をすると、ゾムさんはからりと笑った。
____________
〜コメント返信〜
○ふゆ 様
コメントありがとうございます！
テストやばかったんですか…仲間ですね…泣
夏休みが終わるとまた更新頻度が今より緩やかになるかと思いますが、今後もよろしくお願いします！
○涼夏人 様
コメントありがとうございます！
自分の書いた作品が神作と言ってもらえるなんて、嬉しい限りです🥰
今後も頑張ります！
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らーて - 初コメ失礼します。こんな素敵な作品が読めて僕は幸せです！。続き楽しみにしています。更新頑張ってください。 (2022年8月10日 15時) (
レス) id: 50b204a28c (このIDを非表示/違反報告)
涼夏人 - 失礼します。初コメです。この作品、神！神作！続き楽しみにしています。頑張ってください！ (2022年8月8日 16時) (レス) @page31 id: 8404a67f98 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - おかえりなさい！！自分もめっちゃ低くてやばかったです！ゆっくり待ってます！頑張ってください (2022年6月29日 14時) (レス) @page7 id: d3fac2225a (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - おかえりなさい！！僕の方がテストやばかったので安心してください…☆ゆっくりで大丈夫なので！！更新待ってます！、 (2022年6月28日 22時) (レス) @page7 id: 511b9233eb (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - おかえりなさい！お話はゆっくりで良いのですのよ！おかえりなさい(о´∀`о) (2022年6月28日 19時) (レス) @page7 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らむね☆ | 作成日時：2022年6月12日 11時
