82話 ページ33
施設内の全体像がある程度分かってきて、一旦自室に帰る。
部屋の中にダクトから降りて、声を出す。
『ロボロさん、大先生』
"「ん？どうした〜？」"
『今度、新しいインカムって作れます？音声だけじゃなくて、私の目線とかで、そちらに映像が届くような』
"「…分かった」"
『ありがとうございます』
またダクトに上がる。今度は、いよいよ情報探し。情報がありそうだった部屋を頭の中にピックアップして、近いところから回ることにした。
まずは、図書館のように様々な資料が棚に並べられた、資料室。誰も見当たらず気配もないので、警戒しつつそっと降りる。
ごく普通の大きさの部屋だが、壁につけられた棚にも床に置かれた棚にもびっしりと資料があり、さすがに私でもこれを確認するのは時間がかかるなとため息を一つ吐いた。
それでも、棚の角から順に本や資料を掴んで、パラパラと速読していく。この速度で漏らさず情報を読み、頭の中がこんがらがらないのは、やはり小さな頃からの訓練の賜物だ。
スパイとして生きてきて、嫌なことがほとんどだったけど、今、大切な人たちを守るためにその時の経験が生きているのだから、今は堂々と胸を張れる。
二時間ほどかけて全ての資料に目を通したが、機密情報などは特になかった。
伝えておいた方が良さそうな情報も、ない。
『ハズレかな』
念のため、隠し扉のような仕掛けがないか棚や壁を探ってみる。といっても、棚がついていない、壁が露出している部分はあまりないが…
壁のレンガを手で押したりして探っていると、一つのレンガが、押した瞬間スッと奥へ入り、カチャンと小さく音がした。
『仕掛けだ。見つけた』
"「仕掛け？」"
『ええ』
インカムからの声に返事をしながら、何か罠が仕掛けられているといけないので、引き返してダクトに上がる。
ダクトから見ていると、先ほどの壁が、ドアのように奥に開いた。
と同時に、さっきまで私が立っていた部分に、天井の一部が開いて、縄で吊り下げられた鋭利な刃物が幾つも降ってきた。数秒すると、グンとまた引き上げられて、天井に戻っていった。
『資料室の壁の、一つのレンガを押したら、壁が扉に鳴っていたみたいで、解錠できました。それと同時に天井から刃物が降ってきましたが、無事です』
報告をしながらまたダクトから降りて、先ほど現れた謎の入り口の前に立つ。
…よし。行ってみよう。
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らーて - 初コメ失礼します。こんな素敵な作品が読めて僕は幸せです！。続き楽しみにしています。更新頑張ってください。 (2022年8月10日 15時) (
レス) id: 50b204a28c (このIDを非表示/違反報告)
涼夏人 - 失礼します。初コメです。この作品、神！神作！続き楽しみにしています。頑張ってください！ (2022年8月8日 16時) (レス) @page31 id: 8404a67f98 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - おかえりなさい！！自分もめっちゃ低くてやばかったです！ゆっくり待ってます！頑張ってください (2022年6月29日 14時) (レス) @page7 id: d3fac2225a (このIDを非表示/違反報告)
天音(プロフ) - おかえりなさい！！僕の方がテストやばかったので安心してください…☆ゆっくりで大丈夫なので！！更新待ってます！、 (2022年6月28日 22時) (レス) @page7 id: 511b9233eb (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - おかえりなさい！お話はゆっくりで良いのですのよ！おかえりなさい(о´∀`о) (2022年6月28日 19時) (レス) @page7 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らむね☆ | 作成日時：2022年6月12日 11時
