37話 ページ37
「凄い…シャークんに勝った」
きりやん様が呟く。幹部様たちは全員もれなく目をまん丸にしていて、少し面白い。
「…次は勝つ！」
闘志にさらに火がついたシャークん様が宣言して、もう一戦始まった。
猛然と攻撃してくるシャークん様はどこか楽しそうで、互角に戦えて嬉しいのかなと心の隅で考える。
それがいけなかったのか、ビュンと風を切って詰めてきたシャークん様に剣を突きつけられて、やってしまったと苦笑い。
「俺の勝ち！」
シャークん様は満面の笑みになった。
そこへ、
「次、僕ね！」
ぶるーく様が来た。弓と矢を持っていて、接近戦になった時用に、鞘に入れたナイフも腰につけていた。
「Aに怪我させんなよ」
ぶるーく様に釘を打つスマイル様。
「心配しなくても、先端がゴム製の矢だから当たっても怪我しないよ〜」
軽く返事をすると、ぶるーく様はひょいっと飛び上がり、何箇所か作られている、壁から突き出た場所に着地した。
見下ろされる形だ。あそこまでたった一度ジャンプしただけで飛べるんだから、改めて幹部の強さが分かる。
「いきまーす！」
ぶるーく様が楽しげに弓を構えたと思った瞬間、もう矢は目の前に来ていた。反射的に身を捻って躱す。
危なかったと思う間もなく、次の矢が目の前に迫る。
あんな一瞬で狙いを定めて、しかもこんなに正確に打ってくるなんて。
楽しい。
私はまた矢を躱し、トンと地を蹴って高く飛び上がる。ぶるーく様の位置より少し上に。
宙にいる間は狙われたら避けにくい。ぶるーく様もそれが分かっていて、すぐにこっちに弓を向けて打った。
壁を蹴って、真っ直ぐぶるーく様のいる場所へ向かう。飛んできた矢はナイフで弾いた。
「うそぉ！」
矢と私、速いもの同士が向かい合って飛んでいれば、近づく速さも倍。止まっている人が飛んでくる矢を弾くよりも断然、難しくなる。
それを目の前でされたぶるーく様は、焦って次の矢を取り出した。
でも、それが打たれる前に私はぶるーく様の元にたどり着く。
「……降参」
ぶるーく様が眉を下げて、両手を小さくあげた。
『ふふっ、勝ちました！』
楽しい。今日何度目かのその感情に、笑顔が溢れてしまう。
「…次、俺行くわ」
地上で、いつになく真剣な目をしたきりやん様が手を上げた。
私はひょいっと飛び降りて着地する。
『どうぞ、かかってきてください』
結果、午前中いっぱい、皆様と訓練をすることになった。
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すみれいん(プロフ) - らむね☆さん» いえいえ！私も言っていいものか迷っておりまして…。もしあれならこの誤字のやり取り消してもらって大丈夫ですので！！ (6月7日 23時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
らむね☆(プロフ) - すみれいんさん» わわわ…ありがとうございます。たまに気付いてない誤字あるんですよね…！指摘凄く助かります！ (6月7日 21時) (レス) id: 5aa85bc4da (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - たまに読み返しに来てます。いつも読みふけって忘れてしまうのですが47話の大先生さんの件のお話のciが訂正するところ、こいつの名前っていう所がこいつほになってますよ(こそっと) (6月7日 15時) (レス) @page47 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
だいふく - smさんと夢主はよくっつけ〜！めっちゃラブラブカップルになる予感！これからも投稿頑張ったください！ (2023年1月5日 21時) (レス) @page50 id: 8b39de642b (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - 続きまってますﾜｸﾜｸ (2022年10月5日 17時) (レス) id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らむね☆ | 作成日時：2022年5月19日 15時
