おまけ 『604号室』『302号室』 ページ20
No side
ーー604号室ーー
だんだんと視界が明るくなっていく中、斉宮宗は目を覚ました。少し重いながらもすんなり持ち上がる上体を起こし、部屋を見渡せば、ガシャン！と大きな音が鳴った。
み「お、お師さん…？お師さん！」
花瓶を床に落とした影片が、そんなものは目に入っていないというふうに駆け寄ってきた。
宗「…少し見ない間に、随分と逞しくなったね」
正直な感想だ。この世界を離れた1年前より、影片の顔つきは変わっていた。もう、宗がいなければ何もできないようには見えなかった。
み「あ、おれ、お師さんがいつ目ぇ覚めてもええようにちゃんと準備しとってん。お師さんとまた会えた時、恥ずかしくないようにって…」
宗「カカカ！良い心がけだ！実際君は、もう僕がいなくても良いほど立派だ」
み「なんやお師さん寝てる間に人変わったんとちゃう？やったら優しくて、なんかむず痒いわ…あ！別に褒められるんが嬉しくないんとちゃうで？
それに、やっぱりおれにはお師さんがおらんと駄目や。お師さんとまた、一緒にステージ立ちたいねん。せやから、お師さん、自分が必要あらへんとか言わんとって？おれは、ずっとお師さんと一緒におりたいねん」
な？と微笑まれ、なんだか恥ずかしくなって少し顔が赤くなったのを感じた。
宗「ふん！いいだろう。今度は、人形としてではなく、人間として僕の隣に立つに相応しい完璧な存在にしてやろう」
影片みかは、幸せそうな顔で笑ったのだった。
ーー302号室ーー
あんずの元気そうな姿を確認して、氷鷹北斗はある病室を訪れた。扉を開けば、いつも通り静かな病室がそこに…
渉「おはようございます、北斗くん！
貴方の日々樹渉、只今復活です！」
北「…」
北斗は扉をゆっくり閉め、自身も廊下へ後ずさった。
渉「え、ちょっと酷くないですか？なんで扉閉めたんですか？」
北「ほ、本当に部長なのか…？」
扉から少しだけ顔を覗かせた北斗が恐る恐る尋ねた。
渉「えぇ！先ほども申し上げましたが、貴方の！日々樹！渉です！」
北「…そうか、元気そうでよかった」
渉「北斗くん、ちょっと辛辣すぎませ、ん…」
どんな仏頂面で言っているのかと顔を見てみれば、そこには静かに涙を流しながら微笑む北斗の姿があった。
北「俺は、まだ貴方から学びたいことが山ほどあるんだ」
渉「えぇ、そうですね。私も貴方に教えてあげたいことがたくさんあります」
2人は静かに微笑み合った。
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ラヴィ(プロフ) - AYさん» ありがとうございます！正直ネタ切れなんでリクエストあったら教えてください！私ができる限りにはなりますが実現させるので！ (2020年5月14日 2時) (
レス) id: fcdde202d3 (このIDを非表示/違反報告)
AY - 待ってました！これからも更新頑張ってくださいね♪ (2020年5月13日 8時) (レス) id: b293a3810d (このIDを非表示/違反報告)
バレーノ(プロフ) - モフレさん» ありがとうございます！モフレ様もお体に気をつけてください！ (2020年3月19日 1時) (レス) id: fcdde202d3 (このIDを非表示/違反報告)
モフレ(プロフ) - 初コメ失礼します…！このお話好きすぎて何回も最初から読み返してます……！お体に気をつけて頑張ってください！応援してます (2020年3月18日 21時) (レス) id: ac508ad555 (このIDを非表示/違反報告)
バレーノ(プロフ) - 宵城さん» ありがとうございます！ゆっくりですがしっかり更新していきます！ (2020年2月8日 23時) (レス) id: fcdde202d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バレーノ | 作成日時：2019年10月27日 8時
