28.とりあえずよかった。 ページ29
「や、やったぞ……！」
苦戦した末に、ゴーレム三体を倒した私たち。健は肩で息をしているし、蒼太はその場に座り込むし、理紗は何も言ってくれない。私だって、大きな攻撃は受けていないけれど疲れた。とにかく疲れた。
とりあえず4人で集まって、座って落ち着くことにした。このまま突入して、中にも何かいたらたまったものじゃない。
「そういえばさ、蒼太にもMP的なのないの？」
「それらしきものは見ていないよ」
「魔法ってどんな感じなんだ？」
たがいに気になっていることをいくつか聞いてみる。いい情報交換になった。クールタイムに振り回されているのは蒼太も同じということも分かった。次にウィンドウが会話してくれたら文句のひとつでも言っておこう。不便すぎるんだよなぁ。
しばらく休んで、回復もしてもらって、理紗の痛みも消えてくると、そろそろ突入しようという考えが浮かんできた。ごみ捨て小屋までの道を邪魔する存在はいないし、小屋から音がするわけでもないし、罠があるようにも思えなかったので、そのまま入ることにした。
健が鍵を取り出して、差し込む。開ける前に私たちの方を振り返る。私は杖を構えながら頷いた。
ギィィと音を立てて、ごみ捨て小屋の扉が開いた。光の筋が中を照らす。じーっと闇を見つめる……誰かいる！扉をより大きく開ける。広がった光が、誰かを照らした。
「あっ……」
そこにいたのは私たちが探していた人々だった。具体的には、穴に落ちていたクラスメイト(女子)と渡辺先生。2人とも気を失っているのか、反応はない。まぁ、私たちがこんなことしてるということがバレても良くない気はするから、都合いいんだけど。
「見つけたのはいいけど、どうする？」
そう、これからどうするか。この人たちを抱えながら元に戻ったら連れて帰れるけれど、問題はそのあと。放置しておくわけにはいかないでしょう。多分何も食べてないし。
「警察に保護してもらう？」
「こっちから連れてきましたって言うの？」
「いっその事……救急車？」
救急車……いや、めんどくさそう。呼んだことないから分からないけど、同乗だの説明しろだの言われたらかなり困るよ。
「……こうするのはどうかな」
ああでもないこうでもないと話し合っていると、蒼太が何か思いついたみたいだ。
「山崎さんが……」
29.なんとかなるみたいです。→←27.うまくいったはずです。
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シュウ - 待っ…面白いです！ (2021年9月3日 0時) (
レス) id: f920010a89 (このIDを非表示/違反報告)
恋 - 読んでいて楽しいです!こんなおもしろい作品をつくってくれてありがとうございますっ!これからも応援してます! (2021年5月8日 20時) (レス) id: b0074abe1a (このIDを非表示/違反報告)
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