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No.78〜君との時間〜 ページ42






『まだ私には何も出来ないよ?』
「え…?」
『ノアも言ってたでしょ?〈勝つ理論を持ってこい〉って。私が考えたものでもいいけど、それで勝ったとして潔くんがミヒャに勝ったって言える?』
「!」
『お手伝いできるのは、それからだよ』
彼女は優しく微笑む。

「…俺、もっと考えるよ」
『うん!はい、どうぞ』
Aは机の上の綺麗なガラス瓶に入った星屑のような七色に光る金平糖を1つ取り出すと潔に差し出した。頭を使う時は糖分補給が大事だよ、と自分も違う色の金平糖を口に入れる。舌の上で溶けていくそれは、品の良い甘さでそのへんの物ではないことが分かった。

彼女は潔に帰れとも、いていいとも特に言うわけでなく自然と自分の仕事に戻る。

「…Aは…、カイザーと…知り合いなのか?」
『ん?ミヒャ?うん、ここに来る前はバスタード・ミュンヘンにいたから』
彼女は手を止めることなく答える。

「つ、付き合ってる、とか?」
潔は言いづらそうに口ごもりながら聞く。

『ははっ、付き合ってないよ!みんなよくそれ聞くんだよねー、何でだろ?ってかミヒャ、好きな人いるから』

「えぇ!?」
潔は驚きを隠せなかった。彼女との距離感、さっきの態度、近くに寄せ付けんとするような威嚇。それなのに好きな人がいる!?

「好きな人…?」
『そう、ちょっと前かなー。雑誌に載ってたインタビューでね、好きな人がいるって!俺は一生その人しか愛せないんだーって』
ミヒャって一途だよねーと彼女は優しく微笑む。

「(それって、Aのことじゃないのか…?)そんなこと言うやつなんだな…」

『あぁ見えて優しいんだよ?ま、口は悪いけどね。でも、ミヒャが丁寧な喋り方したら気持ち悪いな』

「確かに、そうだな!」
なんとなく想像したら面白くて、2人で笑った。






部屋に向かうための廊下を歩きながら考えるのはAのこと。食堂で初めて2人で話した時も感じた。彼女は正解を教えてくれるわけではないが、いつも次に導いてくれる。自分を着飾るわけではなく、等身大で、欲しいものをくれる。不思議な安心感と、話したくなる雰囲気。それは作り上げられたものじゃなく、とても自然で。




「(カイザーがAに執着する理由も分かるな…。凪、きっと凛も…)」

潔は3人を思い浮かべ、サッカーだけじゃなく手強いなと苦笑した。






next…

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設定タグ:ブルーロック , 青い監獄 , 夢小説   
作品ジャンル:恋愛
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ひゅーまん - 私もこの作品大好きです、!投稿頑張って、です!♩ (1月6日 19時) (レス) @page4 id: 4488d94be9 (このIDを非表示/違反報告)
yU-Mi(プロフ) - アオウサギさん» ありがとうございます!更新頑張ります(感謝) (2023年4月14日 23時) (レス) @page3 id: b5df0d270f (このIDを非表示/違反報告)
アオウサギ(プロフ) - もう大好きです!!!更新頑張って下さい!!!!!! (2023年4月13日 22時) (レス) @page32 id: 42e17b849f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yU-Mi | 作成日時:2023年3月14日 16時

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