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貴方side




「何、してるの」



今迄聞いた事の無い低い声が耳に入った。
少しだけ鼻のついた、癖のある声。


何時もと違う彼の声は、私の気を引くには十分だった。
気になってその場で振り返る。



振り返った先にはかなり御立腹な様子の乱歩さん。
何か怒られる様な事したっけな、、。




「おや、乱歩さん。お帰りになられたはずでは?」



「太宰こそ、昨日あれだけ溜めてあった資料もう片付いたの?」



「いえ、少しだけ息抜きに。彼女と出掛けようと思ったのですが」







「嘘だね」と声を張る乱歩さんの表情は今まで見た事が無いくらい怖くて思わず目を背けてしまった。




「どう云う所で嘘だと判断したのか気になりますが、其れ以上に一度家に帰られたのに何故また探偵社へ帰ってくる必要があったのです?」



「彼女を無理矢理引っ張っている事から息抜き程度のお出掛けでは少なくとも無いくらい、異能力を使わなくても分かる」






「其れに」と付け足す彼に腕を引っ張られその場で立ち上がらせるとそのまま更に彼の元へ引っ張られた。



身長が大して高くない私は乱歩さんの腕の中にすっぽり嵌ってしまう。
何より今私抱き着かれてるんだ。乱歩さんに。





「其れに僕、Aに用事があって来たの。一寸急ぎだから太宰諦めてよ」





助けてくれたんだ、乱歩さんが私の事。
治くんに引っ張っている所見てくれてたんだ。




じわりと視界が歪む。
見たことの無い治くんの一面を目の当たりにして正直怖かった。
転けた後も腰が抜けて動けなくて、どうしようって時に乱歩さんが助けに来てくれた。




嬉しい、すっごく嬉しい。





安堵と共に溢れ出してきた涙を零さないように下を向きながら、治くんに小さく『ごめん』と呟いた後、乱暴に乱歩さんの手を取り社員寮まで走った。








「A違うんだ、待って、待って……」









走るのに夢中で治くんがか細く名前を呼んでいたなんて、私は気付かなかった。

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オキくん - この作品サイッコー!乱歩さんかっこかわいすぎる!これからも頑張って下さい! (2019年10月12日 17時) (レス) id: 5d04af8ab7 (このIDを非表示/違反報告)
名無し丸33号 - 尚さん» うがががが私も好きですぅぅぅぅ乱歩さんのキャラ崩壊しない様に(もうしてる)頑張ります(;▽;)(;▽;)ありがとうございます!!! (2019年7月2日 1時) (レス) id: 5f76d6b454 (このIDを非表示/違反報告)
名無し丸33号 - natu2525さん» もう一個あったんですね(;▽;)(;▽;)ありがとうございますううう!!(何ヶ月ぶり) (2019年7月2日 1時) (レス) id: 5f76d6b454 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ァァァァァ乱歩さんがァァァァァ(語彙力の消失)好きです!更新頑張ってください! (2019年6月7日 23時) (レス) id: ee472e7980 (このIDを非表示/違反報告)
natu2525(プロフ) - 淳じゃなくて、【敦】ですよー! (2019年6月1日 18時) (レス) id: 998ef4aa34 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名無し丸33号 | 作成日時:2019年4月11日 13時

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