例の子の時間 ページ22
Aside
ガチャリ、と奥に進むために扉を開けると、そこには女の人が一人、男の人が二人立っていた。
「ただいま、連れてきたよー」
迅さんの声に反応し振り返る三人。
そのうち二人の顔は知っていた。
彼女彼らは誰かが来ることは知っていたようだが、どんな人が来るかは知らなかったみたいで私のことをまじまじと見ている。
覚えてる、か?
「ふうん。この子が…」
「迅さんの子ですか」
「えっ!そうだったの!?レイジさん知ってた?!」
「ああ。迅の子供なんていないのはよく知っているぞ」
「……?はっ!とーりーまーるー!!」
「小南先輩なら分かってくれると思ってたんですけど…」
「とりまる…」
「まあ、嘘ですけどね。思ってませんでした」
「と、とりまるー!!」
「…ね?」
「ほんとだ、賑やか」
迅さんのうるさいだろうから、という予知は当たっていた。
そして二人は私のことは覚えてないらしい。
「って、私この子どっかで……」
「Aだろ」
「A…、A!?あんた、あんた久しぶりね!?」
覚えてないこともなかったわ。
小南ちゃんとレイジさん。小南ちゃんは特に歳とか近いから遊んでたなぁ。
そしてそんな小南ちゃんが私に抱きついてくるまでの時間は1秒もなかった。
玉狛に懐かしき顔が沢山いて、胸がほわりと暖かくなる。
とりまると呼ばれた男性と目が会うと、にこりと微笑んでくれて、私も固定された首をどうにか動かし礼をした。
そんな中、可愛い女性の声が2階から聞こえてきた。
「ねえ!例の子来てるっ!?」
「おー、いるぞ」
「水都Aですー」
「えぇー宜しく宇佐美栞です!めっちゃカワイイじゃーん!あ、住み込み希望って聞いたけどほんと?」
「......はい」
チラッと迅さんをみたらドヤ顔かましてて、イラつきを覚えたのはマジ内緒。
だって、だってお金のこと考えたら経費考えたら、こっちの方が安いし、学校も近いんだもんん。
ごめんお父さん、娘は家を売ります。
きっといつかはアイツにぐちゃぐちゃにされる家、早めに手放してお金にします。
あの家ですごした思い出はちゃんと私の心の中にあるから。
あの日のことも忘れたりなんてしないから。
だから、安心して、私の耳元で見守ってほしいなって思います。
これからここで住む、新しい生活を歩む私の背中を押して。
.
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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ラッキーカラー
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おみくじ結果は「末凶」でした!
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あみみーみるん - こたきんぐさん» 小南ちゃんは、レイジさんっていいますよ! (2017年10月30日 17時) (レス) id: 0262f2c5b7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - みかんさん» ですよねまじわかります( ̄ー ̄)b← (2017年3月7日 21時) (レス) id: 9d70f6ae6a (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 業も風間も菊地原もかわゆいんですけど!\(´>∀<)/キャハハ← (2017年1月12日 6時) (レス) id: e31069478e (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ - ムラサキさん» わわっ!ほんとだ!てかほとんどそうなってました!←偉そうなんかじゃないですっ!ご指摘本当にありがとうございました!(*`▽´*) (2016年6月19日 20時) (レス) id: a2f3a24886 (このIDを非表示/違反報告)
ムラサキ(プロフ) - あの、指摘です。例の子ってねの会で、小南先輩、烏丸先輩に怒ってるんですが、一番最後の小南先輩の台詞の烏丸の字が、ほんとに鳥丸になってます!偉そうにすみません! (2016年6月17日 6時) (レス) id: 6550449393 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2015年8月28日 15時