君をこの手で包みたい

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錦「A」

『ん？』

錦「今日夜会おう」


ホテルに入って別れる前に亮に言われる。


みんなの前で。


丸「お、大倉！部屋行こ！」

安「いい部屋らしいで！！」


2人で大倉くんの背中を無理やり押す。


『亮…』

錦「大丈夫。今日は言わんから」


なんの恥ずかしげもなくそんなこと言うから、

なぜだか私だけが照れる。


錦「俺が会いたいだけ。あかん？」

『…うん、いいよ』

錦「ふふっ笑。ほなまたあとで」


軽く頭をポンッとして部屋に入っていった。


ﾋﾟｺﾝｯ


錦〈消灯のあとバレへんように出てこれる？〉

〈わかった〜〉


お風呂に入って髪を乾かし、

タオルを持ってこっそり外へ出る。


『亮』

錦「お。…なんで顔隠すん」

『すっぴんだから……』


顔だけを綺麗に隠し、亮と話す。


錦「今更気にせえへんわ笑」

『嫌だ！』

錦「すっぴんでも可愛ええよ」


その一言で体の力が一気に抜け、

見事にタオルが下がってしまった。


錦「可愛い」

『……ばか』

錦「ふふっ笑」


暗闇の中ベンチに腰かけ、

空を見上げる。


『亮』

錦「ん？」

『向こうで彼女できた？』

錦「おらへんで〜？」

『うそ？！』

錦「ほんまやわ笑。嘘ついてどーすんねん笑」


亮ならいると思ったのに。


錦「Aは？」

『いないよ。』

錦「それこそ嘘やろ。」

『ほんとです〜』

錦「で、今は大倉くんってわけやな」


痛いところを突いてくる。


『…亮は意地悪だね』

錦「…ほんまやな。俺意地悪やわ」


全部わかってるくせにね。



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