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安「ほな授業行くわ」
『うん、いってらっしゃーい』
お昼休みが終わってすぐ、
章ちゃんが授業に行くのを見送って、
元々空きの時間を過ごす。
『…あれ?丸山くん!』
丸「んお!やほー!」
『大倉くんは?一緒じゃないの?』
丸「おん!あいつ授業〜。Aちゃん空きやったんやなぁ知らんかった」
『全然会わなかったね〜笑』
隣の席同士で他愛もない会話をする。
『丸山くんはこのあと授業?』
丸「おん!せやで〜」
丸山くんはいっつもニコニコしてて、
本当にすごいなぁ。
丸「せやから、毎週金曜日は大倉とは帰らへんねん。」
『そーなんだ〜』
毎週金曜日、私と大倉くんは2人きりの勉強会をしている。
丸山くんと話しているうちに時間は過ぎ、
あっという間に終業のチャイムがなった。
丸「あ、ほな僕行くな〜」
『うん!頑張ってね〜』
あーあ、丸山くん行っちゃった。
あと1時間何して時間潰そう。
男「やば!授業遅れる!!」
男2「はよせな!!」
次授業の生徒は急ぎ足で講義室へ向かい、
授業が終わった生徒は門の外へ足を運んだ。
キーンコーンカーンコーン…
私はスマホを開いて、
イヤフォンで音楽を聴きながらゲームを始める。
ブロックを並べて消すだけの単純なゲーム。
?「なにしてん」
『大倉くん?』
肩に感触を感じ、そっちを向けば大倉くんがペットボトルで突っついていた。
『なにしてんの?』
大「こっちのセリフやねんけど。授業は?」
『今日は休講で…大倉くん、授業あると思って待ってたの』
真っ直ぐ大倉くんの方を見れば、
すぐに目をそらされた。
大「…俺、空きやねんけど」
ん?
えーと、私の耳が正常に機能しているのであれば、
"空き"と、そう聞こえた気がする。
『……ずっと、待っててくれたの?』
大「………行こ」
早足で歩き出す大倉くんの数歩後ろを歩き、
ふと大倉くんを見つめる。
髪、伸びたね。
ちょっとパーマかかってて、茶髪で、
トイプードルみたい。
そんなことを考えていて、
耳まで真っ赤にしている可愛らしい彼を、
この頃の私は知らない。
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ゆりかご(プロフ) - paruru1012さん» コメントありがとうございます!そうやって言って貰えて嬉しい限りです( >_< )気持ちに応えられるように頑張って書きたいと思います! (2021年3月20日 23時) (レス) id: ffb8278a16 (このIDを非表示/違反報告)
paruru1012(プロフ) - 今1番気に入っていて先が気になる作品です!無理にならないペースで更新頑張ってください! (2021年3月20日 17時) (レス) id: 61555b5d32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆりかご | 作成日時:2021年3月10日 2時