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Aside
俳「Aちゃんなんか元気ない?」
『ううん、大丈夫だよ』
"虚無"
そんな言葉が良く似合う。
『なんか気分じゃなくなっちゃった』
俳「えっ」
『ごめん、帰るね』
そそくさと服を着て帰路に着いた。
本当にゴミだと思う。
[ごめん、やっぱりあいた | ]
文字を打っても、やっぱりと思って消す。
章大を試すような真似をした私が悪い。
したくない、そう言って、
それでも章大は私のそばに居てくれる。
そんなのただの思い過ごしだった。
渋「おまたせ」
『…うん』
渋「ほんまに…いつまでも見栄張って、いいことないで?」
『……うん』
そんなのわかってるけど、
どうしたらいいのかわからない。
『今は誰かがそばに居てくれないと死んじゃう』
渋「男置いてきたんやろ?笑」
『みんなすぐシようとするから』
渋「俺もすぐシようとするかもしれへんやん」
『すばるくんはしないよ…絶対に』
薄暗い部屋でじっと見つめる。
渋「お見通しみたいやな」
優しく髪を撫でるすばるくんの手つきが好き。
『はぁ……』
渋「んー」
わかったわかった、
そう言わんばかりに頭を撫でてくれる。
『好きって言わなきゃよかった』
渋「は、言ったん?」
『うん、俺も好きやでってはぐらかされた』
渋「それはぐらかされたんか?」
『章大だもん…』
あの人は優しいから。
だから好きって言ってくれたんだよね?
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作者名:ゆりかご | 作成日時:2022年2月20日 3時