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冷たい風が私たちを包み込み、
真っ暗な夜道を走り抜ける。
ﾌﾞｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰﾝ…
エンジンの振動が全身に伝わる。
終始私達は無言で、
でもたまに、信号で止まった時、
彼の手が私の足へ触れそうになるのに気付く。
付き合ってた時は摩って暖めてくれた癖だろうか。
『……(泣)』
大好きだった温もりが今目の前にある。
胸が苦しくなる分、
大倉くんを抱きしめる力も強くなった。
私、大倉くんが好きだ。
誤魔化しの効かないくらい大好きなんだ。
まだ全然諦められてない。
前すら向けてない。
あの日の時に、止まったままだった。
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大倉side
走り慣れたバイクを運転するのに、
こんなに気が落ち着かない。
それは多分後ろに乗ってる彼女のせい。
ギュッと腰に手を回して、
走ってる間は頭を俺の背中にくっつける。
「ｽｯ…ｸﾞｽﾝ…(泣)」
寒いふりをして鼻をすする。
信号で止まる度に足に触れそうになる癖も、
どうにかしなければならない。
俺はいつからこんなに女々しくなったんやろう。
『…ありがとう』
「ん」
今、無言で景色を見つめる彼女に、
俺はなにをしたらええんやろう。
俺はいつまでもあの時のまま。
1歩も動けず、前さえ向けない。
〜〜〜〜〜
「大倉くんはさ、私のこと見てくれてる？」
〜〜〜〜〜
「…全然こっち向いてくれない…」
〜〜〜〜〜
グサグサと胸に突き刺さった。
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きりがいいので移行します(´•̥ _ •̥`)
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作者名：ゆりかご | 作成日時：2021年4月17日 23時
