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Aside
母「A」
『ん?』
母「その…」
お母さんの後ろを見ると、
1番会いたくて、けど1番会いたくなかった人。
母「お母さん晩ご飯の買い物行ってくるね」
そそくさと出てくお母さんをよそに、
しょうちゃんは私のベッドに座った。
『…ごめんね、わがまま言って』
安「ううん。平気やで。」
鉛のような空気の圧。
安「…見た?」
『…見たよ』
なんの話かはわかってるみたい。
いや、なんの話、と言うよりかは、話の入口。
安「言い訳させてくれる?」
『……聞きたくない…』
私だって言いたいことたくさんあるのに。
安「せやんな、ごめん…」
しょうちゃんは優しいんだね。
『……別れよう』
安「っ…」
見なくてもわかる。
しょうちゃんはきっと今泣きそうな顔をしてる。
『…住む世界が違いすぎた…私は底辺で…しょうちゃんはアイドル…』
安「…」
『…本当は私なんかじゃなくて、美人で歳が近い人と付き合いたかったでしょ…?』
鼻のすする音が聞こえる。
『…ごめん…ごめんね…』
安「…(泣)」
今私は泣いちゃいけない。
絶対に。
『……またね』
安「…(泣)」
そう言うとしょうちゃんは立ち上がって、
スタスタと家を出ていった。
そんなすんなり別れられたら、
こっちだってやっぱりなんて言えない。
『……大好きだったなぁ…(泣)』
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作者名:ゆりかご | 作成日時:2021年1月2日 2時