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『ごめん、待った？』
吉「ううん、全然^^*」
あの後すぐに準備をして、
安田さんの服を借りて出発した。
吉「行こっか^^*」
『うん！』
吉良くん、歩くペース合わせてくれてる。
もうちょっと早く歩こう。
吉「高校生2枚ください」
『あ、お金…』
吉「いいよ。僕が誘ってるし^^*」
ずっと見たかった映画を見て、
飲み物も吉良くんが払ってくれた。
『はーおもしろかったー！』
吉「次のシーズン出るのかな？」
『絶対見るー！』
夕方、2人で広場を並んで歩く。
吉「Aちゃん」
『ん？』
吉「好きだよ」
夕焼けが私たちの影を伸ばし、
そよ風が吹いた。
吉「入学して、同じクラスになって…前は少し気になるくらいだったんだけど、二階堂さんとかと話してるのとか見て、本当にいい子なんだなって思うようになって…」
吉良くんも照れるんだ、なんて考える私は悪いのでしょうか。
吉「返事、聞かせて」
多分吉良くんは全部わかってて言ってくれてるんだ。
『ごめんなさい…』
顔が見れない。
『私ずっと好きな人がいて………昨日、付き合うことが出来て………』
吉「…！」
『今日も本当は断ろうと思ってたんだけど…彼が、約束は守らなきゃだめって言ってくれて…』
しょうちゃんの顔が頭に浮かぶ。
『……吉良くんとはもうお出かけできません…』
吉「…………そっか、笑」
今きっと、すごい悲しい顔してるんだろうな。
吉「ごめんね、彼氏出来たのにわざわざ来てくれて」
『ううん！楽しかったから。ありがとう』
吉「うん。僕も楽しかった。また今度行こうねって言いたいとこだけど…笑」
『柚葉とか海月ちゃんとか真緒くんとか、みんなでお出かけしよ！』
そう言うと吉良くんは微笑んだ。
吉「じゃあ。また明日。」
『また明日。』
駅のホームで別れ、お互い逆方向の電車に乗り込む。
会いたい。
今すぐ会いたい。
ﾋﾟｺﾝｯ
安〈後ろ〉
後ろ？
『……！！！！』
駅を出てすぐ、見覚えのある車。
『なんで！』
安「会いたかったから」
しょうちゃんに会えてなんだかほっとする。
安「家まで送る」
『ほんとに？』
安「ほんまは泊まらせたいけど、明日学校やろ？」
しょうちゃんはどこまで優しいんだろうか。
『ありがとう』
安「いいえ」
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作者名：ゆりかご | 作成日時：2021年1月2日 2時
