罪人＿ﾂﾐﾋﾞﾄ＿

第43話ー玲於sideー ページ44

それから、暫くして




亮が会場の外へ出た



俺らは見つからないようにそっと跡をつけた



亮はバルコニーで一人夜空を見上げていた




亮は小さい頃からよく俺を慕い


そして、姉と同様努力家だった


なぁ、Aどうして俺達こんなに狂ってしまったのかな


あの時、俺でさえ信じていたならまた笑えてたのかな


ここの付近の病院すべて捜したけどAの名前はなかった

お前、一体何処に居るんだよ


今、何してる



…教えてくれよ


お前に、会いたい



あの眩しい笑顔で




優しい声で



俺の名前を、






呼んでくれ





すると、かすかながらも俺は聞こえた


亮「悔しい…」


ああ、





亮のその目は憎しみと悲しみでぐちゃぐちゃになっていた



俺等のせいだ…




俺の視界も涙でにじむ





俺が泣いてどうするんだよｯ、






苦しいのは




つらいのは…






痛いのは







悲しいのは








なきたいのは






向こうのほうだろｯ…





なぁ、頼む






誰か過去に戻してくれよ




過去に戻してもう一度やり直させてくれよ








なぁ




アイツに会わせてくれよ









亮もAも幸せだったあの頃に戻してくれよ







そのためだったら、俺はどんなことも受け入れるからさ








頼むよ









最愛の人を





自ら離しておいてこんなのはただの我儘でしかないけどさ









会えることならもう一度会わせて






言わせてくれよ









好きだって

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