75 「んぉ?戻ってきた!」 ページ39
*
試合を終えて、会場から出てきたセレネを待っていたのは、彼女の最愛の師匠だった。
セレネ「……ししょおぉ〜〜〜♥」
パアァ、というよりは、ふにゃあっとした笑みでセレネが師匠に駆け寄る。
師匠ーーもといクロロは、セレネの上目遣いの表情を見てため息をついた。
セレネ「……」じーーー
『勝ったよ!褒めて!師匠!撫でて!』と言わんばかりの輝く瞳だ。
一瞬、千切れそうなぐらいに左右に振られる犬の尻尾が見えた。
だが、
ゴツンッ
セレネ「にぎゃっ!!」
クロロはセレネの頭に拳骨を落とした。
クロロ「無理し過ぎるな、と言ったはずだ」
セレネ「えええ!?してないよ!?」
クロロはガッとセレネの頭を掴んだ。
クロロ「……右腕完全骨折、全身打撲、四肢、及び背中は火傷、ついでに言えば貧血、オーラの体量駆使による全身疲労」
これのどこが無理してない、だ。
ミシミシと頭蓋骨をきしませながら、クロロはセレネを睨んだ。
セレネ「ごめんなさいごめんなさい痛いから離してぇ!!」
クロロ「割るぞ」
セレネ「怪我人には優しくしてくださいよぅ!!」
悲鳴をあげて逃げようとするセレネから頭を離し、クロロは乱暴にセレネの髪の毛を撫でた。それはもう、禿げるんじゃないかってぐらい。
痛い痛い痛い!とセレネが叫んでも、今度はなかなかやめなかった。
セレネ「何なんですかもー!!」
むきー!とセレネが左腕を振り上げると、クロロは軽く肩をすくめた。
クロロ「……いいから治療しに行くぞ」
踵を返して歩き出してしまった師匠の後を追って、セレネも歩き出す。
セレネ(気にすんな……ってことなのかなぁ。よくわからん、うちの師匠)
そんなことを考えてはいても、セレネはやっぱりクロロが好きだった。
……そして間違いなく言えるのは、この2人の間には、確かな絆があるということ。
互いに互いをよく知らない同士の、奇妙な師弟関係ではあるが。
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76 「叫びだけで文字数半分くらいいくってどうよ。あなたのせいですからね師匠」クロロ「何のことかわからないな」→←74 血に飢えた獣
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勿忘草 - 全部面白いですが、個人的に54話が好きですw壁と恋人w嫌だwwx (2020年6月4日 21時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - ゆーじさん» わぁぁぁぁあ!?もう見てくださったんですか!?なんか、もう、嬉しくて今、ベッドで転げまくりました……← 頑張ります!!本当、応援ありがとうございます!! (2018年7月30日 23時) (レス) id: ae872f1ade (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - 君臨とは違った夢主ちゃん可愛いっス…。クロロ目隠しするのに「ヒソカが…」…言っちゃったら意味なくね!!?ってツッコンで笑ったり、面白くてヤバいです!!3も引き続き更新楽しみにしてますー!! (2018年7月30日 23時) (レス) id: 48b034f42e (このIDを非表示/違反報告)
黎明 - 55を間違って非公開にしてました!すみません! (2018年4月13日 12時) (レス) id: b38fe6bf77 (このIDを非表示/違反報告)
黎明 - さくらんぼさん、ありがとうございます!53は、無い文章力を振り絞って書いたので、そんな風に言ってもらえて嬉しいです。更新頑張ります! (2018年4月8日 22時) (レス) id: b38fe6bf77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤原 黎明 | 作成日時:2018年3月6日 23時