19 ページ19
.
スタッフさんの合図に合わせて、今回のカムバ曲が大音量で流れ始める。ステージ前にいるARMYが甲高い歓声をあげる。
何回も練習したおかげか、これだけメンタルが危うい時でも体は勝手に音楽に合わせて動いた。リハーサルでミスを繰り返していたところもなんとか乗り越えて、ずれたイヤモニを直して、私のパートだ。
息を吸って歌いだそうとした時。
ARMYがふいに今までとは違う叫び声をあげた。ステージの隅の方を見てみんな怯えた表情をしている。
カメラが目の前にいたけど、思わずそちらに顔を向けた。
「＿＿＿＿A、お前だけは絶対に許せない！」
一人の女性が、私の方を睨んで立っている。明らかにスタッフではない。その両手には、大きなハサミが握られていた。
女性はハサミをお腹の前に抱えたまま、こちらに突進してくる。一瞬のことだったんだろうけど、私にはスローモーションのように見えて。周りにいたスタッフさんが猛スピードで止めようとしても、女性はそれをかわしてステージの中央に走ってきた。
どうしようもできなくて、逃げようと頭ではわかってても体は言うことを聞かなくて、ただ目を瞑ってこれからくるであろう衝撃に備えた。
「ぐっ＿＿＿＿」
聞こえてきたその声と、感じない痛みにゆっくりと目を開ける。ARMYがさっき以上の悲鳴をあげた。
「＿＿＿＿ジョングク！？」
目の前で、ジョングクが大きな音を立てて倒れこんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 317人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
?(プロフ) - ウラツクで一番好きなお話兼一番更新を楽しみにしてるお話です！続きが気になりすぎてはじめてウラツクでコメント残しました！笑 これからも無理せず頑張ってください！ (2019年8月23日 23時) (
レス) id: 7911c797b0 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki - 更新お疲れ様です！お返事嬉しいです！はい！楽しみにしてます！ (2019年6月24日 22時) (レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki - 更新お疲れ様です！頑張ってください！ (2019年6月19日 22時) (レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美月 | 作成日時：2019年6月16日 17時
