１８ ダメ？ダメだけど面白い ページ20
*
「そんな……何でだよ！」
「俺は人間のことはよく知らないが……ヨキという搾取者がいる限り、金を出しても何をしても、お前らは苦しみ続けるだけだ」
「！？」
この街において、いわば病原体となっているのがヨキ。今この時、一度だけ病は治せても、病原体がある限りは病は続く。
それと、同じ。
「助けたいのは山々だが、ヨキがいなくならない限りはこの街は苦しむ。だが、俺は人間を殺さないと決めてる。殺せとかいうお願いには応じない」
カヤルから目をそらすと、カヤルは苦しい表情でエドワードに目を向けた。
「エド……」
「……錬金術の基本は等価交換。あんたらに金をくれてやる義理も義務もオレには無い。リヒトにもな」
「てめぇ……！」
全く、エドワードの言い方は人間を逆撫でするというか。俺でもわかるぞ、そんな言い方をしたら相手が怒るということくらい。
「そんなに困ってるなら、この街出て違う職探せよ」
言い放ったエドワードは踵を返し、俺も一応その後に従う。
後ろから、親方の声が聞こえた。
「おまえらにゃわからんだろうがな、
俺には、理解し難い。
何故１つの地に固執する必要があるのか、何故棺桶となるのか、苦しさを耐えるのか。
感情に左右される人間、……わからない。
だが、人間はそこが面白い。
「リヒト、……兄さん！」
アルフォンスがガシャガシャ音を立てながら近くにやってくる。エドワードはじっと石の積まれた山を見ていた。
「このボタ山、どれくらいあると思う？」
「？」
「1トンか、2トンくらいあるんじゃない？」
「よーし」
エドワードが山によじ登った。
「今からちょっと法に触れることするけど、お前ら見て見ぬふりしろ」
「へ！？」
「犯罪はダメ、ぜったい」
「だから見て見ぬふりしろっつの」
アルフォンスがため息をついた。が、エドワードは手を合わせ、錬成を始める。言ったところで聞かないのはもう知ってる。
「なぁに、バレなきゃいいんだよバレなきゃ」
「やれやれ、悪い兄を持つと苦労する……」
「……ダイヤモンドとかいるか？」
「いいねぇ、盛っちまえ盛っちまえ」
「×××ーー」
それにエドワードがやるなら、付き合う。面白そうだからな。
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藤原 黎明 - アルシエルさん» ふおおおぅ……優しい言葉をありがとうございます！無理しない程度に頑張りますね。こちらの作品は更新ゆっくりなので、ゆっくりたまに見に来てくだされば嬉しいです！よろしくお願い致します！ (2019年4月3日 18時) (
レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
アルシエル - ご復活おめでとうございます。お話の続き楽しみにしています。たまには更新も置いといてのんびりしてくださいね。傷ついた心を癒すのにはそういう時間も必要でしょうから。 (2019年4月1日 13時) (レス) id: e40e430b96 (このIDを非表示/違反報告)
リン - 分かりました！更新頑張ってください！ (2018年12月31日 16時) (レス) id: 9f5cd220aa (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - リンさん» いえ、天空闘技場に入る前に話がスタートしていますので、覚えていません。存在も知らない状態ですね。こちらのお話では念能力は無いものとして扱っていこうと考えています。わかりにくくて申し訳ないです(>_<) (2018年12月30日 17時) (レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
リン - こちらの君臨者様は念を覚えているのですか？ (2018年12月30日 14時) (レス) id: 9f5cd220aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤原 黎明 | 作成日時：2018年9月26日 22時
