１ 落下？初体験 ページ2
*
【リヒトside】
「さて、どうしたものかな」
ひゅんひゅんと、空を切る音が耳元で響く。ぶわっと浮き上がる髪の毛をくるくるといじりながら、俺は呟いた。
現在俺がいるのは、空中だ。
もちろん足の下に地面は無い。すべては重力に委ねたまま、今まで落ちること約10分。おそらくあと1分ほどで地上に着くだろう。
このまま落ちれば、地面にちゃんと着陸できないだろうな。かといって、元の姿に戻ったり、翼を生やしたりして、この貴重な『落ちる』という体験を逃すのも面白くない。やっぱりこのまま落ちて、着地に賭けるしかないか。俺以外に落ちている人間はいないようだし、気にする必要は無い。以前聞いた『天空のラピュ○』の真似をしても楽しそうだが。
そう考えているうちに、地面まであと3秒。
……む？
地上に見える、２つの影。
？「……！？兄さん、上！！」
2秒。
？「ん？何だよアル……っどわぁぁあ！！？？」
……これ危ないな。
「××××……××」
バサッと翼が空気を叩く音。その一瞬のタイムで、俺の真下に来ていた人間はかろうじて避け。
「！」
ドンッ！！
止まりきれなかった俺は、地面に激突。……これはデジャヴというやつか？
？「な……」
？「し、死んでる……？」
ぴょこんっ
？「うぉああ！？」
？「だ、大丈夫？君！
……む、
「鼻血出た」
？「それで済んだのかよッ！！」
叫んだのは、金髪の人間。真っ赤なコートを身に纏っている彼の隣には、大きな鋼の塊。なんだこれは。
「何だ、お前」
金髪「こっちのセリフだっつーの！」
鋼「に、兄さん落ち着いてよ」
「喋れるのか、それで」
鋼「え？それで……って、まさか」
「まさか？鋼の塊も話すことができるんだな……。初めて知った」
金髪「はぁ？てかお前、さっさと答えろ！」
「俺はリヒトだ。はじめまして」
金髪「はじめま……じゃねぇよ！」
全く収集がつかない……こういう時は、お互い落ち着いた方がいいらしいぞ。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
藤原 黎明 - アルシエルさん» ふおおおぅ……優しい言葉をありがとうございます！無理しない程度に頑張りますね。こちらの作品は更新ゆっくりなので、ゆっくりたまに見に来てくだされば嬉しいです！よろしくお願い致します！ (2019年4月3日 18時) (
レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
アルシエル - ご復活おめでとうございます。お話の続き楽しみにしています。たまには更新も置いといてのんびりしてくださいね。傷ついた心を癒すのにはそういう時間も必要でしょうから。 (2019年4月1日 13時) (レス) id: e40e430b96 (このIDを非表示/違反報告)
リン - 分かりました！更新頑張ってください！ (2018年12月31日 16時) (レス) id: 9f5cd220aa (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - リンさん» いえ、天空闘技場に入る前に話がスタートしていますので、覚えていません。存在も知らない状態ですね。こちらのお話では念能力は無いものとして扱っていこうと考えています。わかりにくくて申し訳ないです(>_<) (2018年12月30日 17時) (レス) id: 862efe2a89 (このIDを非表示/違反報告)
リン - こちらの君臨者様は念を覚えているのですか？ (2018年12月30日 14時) (レス) id: 9f5cd220aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藤原 黎明 | 作成日時：2018年9月26日 22時
