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イルミの部屋で荷物の整理をする。


『こんなに長居する予定じゃなかったんだけどな〜。しかも来た時より荷物増えたし』

キキョウからもらった服をたたんでイルミがくれたカバンに詰める。


「その服気に入った?」

イルミは椅子に腰掛けてAが着ている和服を指さす。


『うん。丈短めで動きやすいし、こういう服着たことないから気に入った!』

「そ。よかったね。……おいで」

椅子から立ち上がり、ここに座れと椅子を指さす。

Aははてなマークを浮かべつつも椅子に座った。


「髪のアレンジしてあげる」

すっと髪に細い指が絡む。たまに触れる指がくすぐったく感じ身じろぎをする。

「こら、動かない」

『だって、』

抗議しようと振り返るAの頭を掴んで前を向かせる。

『むう』

少し不貞腐れるもイルミは気にせず髪をセットしていった。



「出来上がり」

『終わった?見たい見たい!』

Aが騒ぐと手鏡をぽんと放り投げたイルミ。それをキャッチして後ろをみる。


『うわっ!可愛い!』

三つ編みに紺色のリボンを編み込んでハーフアップになっていた。


『イルミ器用だねぇ。もしかして趣味?』

静かに針が飛んでくるがAは投げ返した。


「違うんだけど?」

さして怒っていない様子。さすがにAの軽口も慣れたようだ。

『イルミ、ありがとう!』

無邪気な笑顔にイルミは軽く微笑む。


『でもさ、この髪の色、服ともリボンとも合ってない気がする』

「まぁ、そうだね。この服ジャポンの黒髪に合わせて作られた服だからAには合わないかな」

Aはショッキングピンクの髪を弄ぶ。


『よし!染めよう』

「へぇ、何色に?」

興味深そうに聞く。


『そうだな〜、黒髪か、茶髪?ジャポンっぽい髪にしようかな』

「黒髪にしなよ」

Aがクスクスと笑う。


『お揃いになっちゃうね?』

イルミが視線を逸らした。



心読まれたかと思った。



イルミはそう思いながらそっと自分の黒髪をみた。



『さて、ボクはもう行くよ』

「そう。玄関まで送るよ」





ククルーマウンテンを出て飛行船を手配する。


『もしもし、飛行船をパキドア共和国、デントラ区まで』

〔はい、かしこまりました。行き先はどちらまでにいたしますか?〕







『天空闘技場♡』

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Pistachio(プロフ) - ゆうさん» まだです。一応続きはありますが番外編なので本編との繋がりはありません (2020年5月2日 22時) (レス) id: 461dedd1a6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - これってもう完結ですか? (2020年5月2日 0時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
Pistachio(プロフ) - 明里香さん» またまたご指摘ありがとうございます!しかもだいぶハイペースで読んで下さっているようなので嬉しいです^ - ^ (2019年8月14日 17時) (レス) id: 6b5b204f97 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 61話に誤字がありました。「以外と」ではなく、「意外と」です。 (2019年8月14日 0時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
白銀水龍(プロフ) - 毎日チェックはしているので。 (2019年8月10日 16時) (レス) id: 01408c4e23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Pistachio | 作成日時:2019年3月4日 23時

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