彼氏が私を好きすぎている件。【fw】

story8◇ ページ9

「日奈森さん、校舎案内してくれる？」

「えっ、私？」


休み時間、九条くんに話しかけられた。彼が話しかけてくる度女子から凄い圧掛けられるから遠慮したいんだよなぁ。


「ほ、他の可愛い子などおりますが？」

「僕、今日転校してきたばかりだし話せれる人が君しかいないんだ。ダメ、かな？」

「わ、かりました」


イケメンに上目遣いされたら引き受けるしかないじゃないですかぁ！ずるいぞぉ！！

……なるべく不破先輩にバレないようにしよう。あの人怒ったら怖いもんな。何されるかわからん。


「じゃあまず1階から行くね」

「うん、よろしく！」



――――――――――



「〜で、終わりかな」

「助かったよ。ありがとうね日奈森さん」

「ううん、力になれて良かった」


一通り校舎を案内し私たちは教室に戻ることにした。よし！一度も不破先輩見かけてないぞ！やれば出来る私！


「ところでさ、図々しいかもしれないけど日奈森さんのこと下の名前で呼んでいいかな？その、女の子の友達が嬉しくて」

「そんなの全然呼んでよ！」


女の子の友達かぁ。九条くんモテそうなのに女の子慣れしてないのかな？まあ私が九条くんの一番の女友達ということで…。


「僕のことは朝日って呼んで！」

「えっ！そ、それは」

「ごめん、嫌だったかな？」

「ううん！友達だし私も下の名前で呼ぶよ！朝日くん」


私が呼ぶと九条く…朝日くんは嬉しそうに笑った。うわ、王子様スマイル！！


男の子の下の名前で呼ぶなんて小学生いら……


『湊さんっ』


blackhistory(黒歴史)忘れろ！忘れろ！！
ガンガンっとそこら辺の壁に頭をうちつける。フラッシュバックが…！


「ふっ、Aちゃんって面白いね」

「ありがとうございます…」



あれは、ノーカンとしよう。
今は新しい友達に喜びを！！

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