其之弐 ページ3
──夢主side──
「抵抗はしません。貴方に従います」
私がそう告げると彼の瞳が一瞬揺らいだ。
「イゾウ、何してんだよい」
目の前の彼を“イゾウ”と呼んで現れたのは特徴的な髪形をしたこれまた男。
前開きの、えと、洋服?を着ている。
「見張りに来たらこの女が甲板で寝てたんだ」
「侵入者か?」
「肝の座った奴だぜ。刀寄越して抵抗しねぇだとさ」
「ほお…」
この男の目も私を疑っている。
…やはり殺されるのだろうか。
「どう処分するにしても親父には言わなきゃなんねぇ。けど親父はもう休んでる。話は明日だ。とりあえず牢屋に入れとくよい」
「仕方ねぇな」
牢屋…?私をまだ生かすつもりなの?
でもその“親父”さんが殺せって言ったら鶴の一声なんだろうなぁ。
覚悟しておこう。
イゾウさんともう一人の男は私を牢屋へ連れて行く。
手錠をかけられて、大人しく暗い牢屋の中へ入った。
刀はもちろん没収。
「明日まで大人しくしてろ。何か不審なことをしたら命はねぇと思え」
イゾウさんの迫力すごいわね。
無惨に比べたらずっと可愛いけど…
「はい」
壁を背もたれに座り、彼らが出て行って一人となった。
扉の前には見張りが二人くらいいそう。
「はあー…」
何かすごく短時間だったけど、どっと疲れた。
雨で身体びしょ濡れだな…ちょっと寒いかも。
でも私も状況が分かんないし、どうしようもない。
考えようにもまるで知らない場所に飛ばされたとか夢じゃないかって答えしか出てこない。
目を閉じたら揺れがとても心地良く感じられて、微かに聞こえる波の音が私を眠りの渦へと堕とした。
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シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています (2022年11月9日 10時) (レス) @page31 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
ミチルンルン(プロフ) - 結構好きかも、更新楽しみに待ってます! (2022年6月10日 21時) (レス) @page31 id: 107ef6d634 (このIDを非表示/違反報告)
狐 - 凄く面白いと思いました。これからも頑張ってください!応援してます! (2020年10月25日 1時) (レス) id: 0f94a784a5 (このIDを非表示/違反報告)
寿 ライラ(プロフ) - 凄い面白いです!!続き楽しみです!!更新頑張って下さい!!待ってます!! (2020年10月24日 0時) (レス) id: 3d43c01a40 (このIDを非表示/違反報告)
春葵(プロフ) - シンアさん» ありがとうございます。更新頑張ります。 (2020年9月21日 18時) (レス) id: b1ab373c3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春葵 | 作成日時:2020年9月7日 19時