02.隣の教室で ページ3
キーンコーンカーンと学校のチャイムが鳴る。
下校時間だということに気がついた。
ん〜!もうそんな時間かぁ。
完璧寝ちゃってたわ。
ぐぐっと背伸びをし、机にかけている鞄を手に取る。
あとは教室、靴箱、校門をくぐって帰るだけ。
周りはカラオケとかレストランとか、何かしら遊びに行くようだ。
寝て居た私が言うのもなんだけど、受験生じゃないの?勉強しなくていいのー?
…いや、私も勉強しないとギリギリかも。
今年度で私、藤丸立香は中学を卒業する。
晴れて高校デビューです。
昔はあ〜〜〜んなに可愛かった勝己は、もうそりゃ立派なガキ大将で暴君様になってしまった。今でもいじると可愛いんだけどね。…ちょっと王様に似てるかも。
でも出久は今も変わらず可愛い。私の唯一の癒し。
そして、私達は目指す高校も同じ、雄英高校。
国立で偏差値79というレベルの高すぎる所だが、私自身の夢を叶えられる可能性のある所。だから、私はそこに行くの。
「…ま、まあ私も勉強しないとやばいんだけどね」
…わ、笑えない。ガチでやばいぞ、私。
偏差値79とか鬼か。昔の私なら絶対受ける気なんかなかった。志望候補にさえ入れてない。
鞄を手に私は教室を出て、隣のクラスに向かう。
ひょいっと教室を覗き、緑色の癖毛を探す。
あ、いた…ん?あれは勝己じゃないの。
と思った途端、勝己は手に持っていたノートを個性でボロボロのススだらけにしてしまった。
見たことあるあのノートは出久の大切なノート。
いつも嬉しそうに私に話しながら見せに来てくれたっけ。
「あーーーー!!?」
うん、やっぱりそうらしい。
出久が叫んでとても悲しい顔をしているのがわかる。
「……っ」
「いやいや…流石に何か言い返せよ」
「かわいそうに、中三になってもまだ彼は現実が見えてないのです」
勝己の下僕のようにいる男子生徒が言う。
何故こんなに勝己がイラついているのか。
今日初めて出久が雄英高校を受けると知ったからだ。
「そんなにヒーローに就きてんなら、効率いい方法あるぜ。来世は個性が宿ると信じて…屋上からのワンチャンダイッ……」
「それは流石に私、許さないよ」
「り、立香ちゃん!!」
「…立香?」
最後まで彼に言わせたくなかったから、全く気に入らなかったから、私は教室に入って彼らに近付いた。
私、ちょっと怒ったよ?
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セブ推し(プロフ) - サヒアさん» ありがとうございました! (2018年6月11日 16時) (レス) id: f4753b0a53 (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - セブ推しさん» 藤丸(ふじまる)、立香(りつか)って読みます。説明なくてごめんなさいm(_ _)m (2018年6月10日 23時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 珈琲さん» 本当ですね、アホですね私。教えて下さりありがとうございます!最高…!?う、嬉しいです!頑張ります!! (2018年6月10日 23時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
サヒア(プロフ) - 撫菜兎さん» 完結出来るよう頑張ります!! (2018年6月10日 23時) (レス) id: c08842489f (このIDを非表示/違反報告)
セブ推し(プロフ) - すみません,質問なんですが主人公の名前はなんと読むのですか?教えて下さい((。´・ω・)。´_ _))ペコリ (2018年6月10日 17時) (レス) id: f4753b0a53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サヒア | 作成日時:2018年2月16日 23時