63 お仕置き? ページ30
*
私の問いかけに、クロロさんは虚を突かれたように、目を見開いた。
クロロ「……お前は」
「?」
クロロ「いつも、頑張っているからな」
頑張っている?
「えっと……?」
クロロ「本拠地にいても、大体念とか、練習しているだろう?だから、こういう機会でもないと、邪魔もできないからな」
早口に話し、私から目をそらす。……って、ことは。
「気、使わせてしまいましたか……」
思いがけず、暗い声になってしまった。慌てて明るく言い直す。
「邪魔なんて、とんでもないですよ!逆に声かけてくれたら、嬉しいですし、というかクロロさんなら……っ!」
クロロ「?」
う、……口が、滑ったような。
クロロ「オレなら、何だ」
「なんでもないです!」
クロロ「何だ?気になるな」
「いえ、あの……」
クロロさんが私の隣に座り、顔を至近距離まで近付ける。下がろうとすると、後ろから手を回されて動けなくなった。
「近いです……!」
クロロ「言わないとやめない」
「だから、なんでもないです!」
クロロ「嘘だな」
私の抵抗は空しく、クロロさんの綺麗な額が、私の額にことんとぶつかる。本当に、近い……!!
「い、言いたくないです」
クロロ「……団長命令だ」
「それは職権濫用ですよ!」
クロロ「旅団ではオレの命令は絶対だ」
「聞いてます!?」
もう私の意見(抵抗)は通らないらしい。今頃私の顔は真っ赤だろう。クロロさんはわずかに笑みを浮かべている。
「……クロロさんなら、」
クロロ「なら?」
「むっ、むしろ大歓迎です!!」
それだけ叫び、クロロさんの腕から逃れる。熱い顔を冷やすためにクロロさんに背を向けて。
……あぁ、恥ずかしい!!
ぎゅうう、と目をつむり、バタバタと暴れていると、今度は身体全体が熱くなった。
「クロロさ……っ!」
クロロ「嬉しいよ」
後ろから抱き締められて、耳元で囁かれた。くすぐったさに必死で耐える。
「限定というわけではありませんからね!旅団の皆さん全員ですから!」
今さら言っても仕方がないような弁明をするが、クロロさんは喉の奥で笑っただけだった。
クロロ「こちらこそ、気を使わせて悪いな」
「いえ……」
クロロ「じゃあ、教えてくれるか?」
私を片手で抱いたまま、左手で本を開く。……え、このままですか?
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藤原黎明 - ごめんなさい!コメント気が付いてませんでした……!探しにくくてすみません!でも、読んでいただけて嬉しいです! (2018年8月31日 17時) (レス) id: 50a7dd275d (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - すみません。もう少し調べてみたら見れました!本当にすみません(T-T) (2018年8月10日 11時) (レス) id: ecaf096ebb (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - あの、作品の一番始めといいますか第一話?が見れません。どうしたら見れますか? (2018年8月10日 11時) (レス) id: ecaf096ebb (このIDを非表示/違反報告)
フェイたん - とても面白いです!夢主ちゃん可愛すぎ!これからもお体に気を付けて頑張って下さい! (2018年1月12日 17時) (レス) id: 3affdfaf3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藤原 黎明 | 作成日時:2017年12月20日 0時