検索窓
今日:5 hit、昨日:6 hit、合計:78,905 hit

63 お仕置き? ページ30

*









私の問いかけに、クロロさんは虚を突かれたように、目を見開いた。

クロロ「……お前は」

「?」

クロロ「いつも、頑張っているからな」

頑張っている?

「えっと……?」

クロロ「本拠地にいても、大体念とか、練習しているだろう?だから、こういう機会でもないと、邪魔もできないからな」

早口に話し、私から目をそらす。……って、ことは。

「気、使わせてしまいましたか……」

思いがけず、暗い声になってしまった。慌てて明るく言い直す。

「邪魔なんて、とんでもないですよ!逆に声かけてくれたら、嬉しいですし、というかクロロさんなら……っ!」

クロロ「?」

う、……口が、滑ったような。

クロロ「オレなら、何だ」

「なんでもないです!」

クロロ「何だ?気になるな」

「いえ、あの……」

クロロさんが私の隣に座り、顔を至近距離まで近付ける。下がろうとすると、後ろから手を回されて動けなくなった。

「近いです……!」

クロロ「言わないとやめない」

「だから、なんでもないです!」

クロロ「嘘だな」

私の抵抗は空しく、クロロさんの綺麗な額が、私の額にことんとぶつかる。本当に、近い……!!

「い、言いたくないです」

クロロ「……団長命令だ」

「それは職権濫用ですよ!」

クロロ「旅団ではオレの命令は絶対だ」

「聞いてます!?」

もう私の意見(抵抗)は通らないらしい。今頃私の顔は真っ赤だろう。クロロさんはわずかに笑みを浮かべている。

「……クロロさんなら、」

クロロ「なら?」

「むっ、むしろ大歓迎です!!」

それだけ叫び、クロロさんの腕から逃れる。熱い顔を冷やすためにクロロさんに背を向けて。
……あぁ、恥ずかしい!!

ぎゅうう、と目をつむり、バタバタと暴れていると、今度は身体全体が熱くなった。

「クロロさ……っ!」

クロロ「嬉しいよ」

後ろから抱き締められて、耳元で囁かれた。くすぐったさに必死で耐える。

「限定というわけではありませんからね!旅団の皆さん全員ですから!」

今さら言っても仕方がないような弁明をするが、クロロさんは喉の奥で笑っただけだった。

クロロ「こちらこそ、気を使わせて悪いな」

「いえ……」

クロロ「じゃあ、教えてくれるか?」

私を片手で抱いたまま、左手で本を開く。……え、このままですか?




*

64 恋歌→←62 2人きり


ラッキーアイテム

伸縮自在の愛


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (48 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
171人がお気に入り
設定タグ:HUNTER×HUNTER , 逆ハー? , クロロ=ルシルフル   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

藤原黎明 - ごめんなさい!コメント気が付いてませんでした……!探しにくくてすみません!でも、読んでいただけて嬉しいです! (2018年8月31日 17時) (レス) id: 50a7dd275d (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - すみません。もう少し調べてみたら見れました!本当にすみません(T-T) (2018年8月10日 11時) (レス) id: ecaf096ebb (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - あの、作品の一番始めといいますか第一話?が見れません。どうしたら見れますか? (2018年8月10日 11時) (レス) id: ecaf096ebb (このIDを非表示/違反報告)
フェイたん - とても面白いです!夢主ちゃん可愛すぎ!これからもお体に気を付けて頑張って下さい! (2018年1月12日 17時) (レス) id: 3affdfaf3c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:藤原 黎明 | 作成日時:2017年12月20日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。