151 ふくろう？いんじゅう？ ページ33
*
「おいコラ動け！！」
男の怒声と血が飛び散る音が部屋に響いた。
「チッ……折角捕まえたってのに、動かなきゃ意味ねぇじゃねーか」
男の前に転がり、胎児のように丸くなっているのは少年。少年の体には槍のようなものが無数に刺さり、床を血で真っ赤に濡らしていた。
少し離れたところで柱にもたれかかったサングラスの男が呟いた。
「死んでるか？それともガセ物か？」
「これは死にませんよ。サイトにもそう書いてる」
少年を捕獲してきたというハンターの男は答えて、少年の首を掴んで上を向かせた。
「……」
「気配から見て、『リヒト』であることは認める」
サングラスの男が歩いてきて、リヒトの顔を覗き込む。覗き込まれても、瞳は虚ろで光を映さない。
「だが、こんな状態の商品にゃ金は払えねぇな。檻に入れとけ、オレが輸送して是非を確認する」
「おい待てよ。こっちだって苦労して捕獲したんだぞ！せめて半金は寄越せ！」
ハンターたちは目を剥いて輸送役の男に掴みかかった。
ーーその時。
「うるせェな、金目当ての飼い犬ハンターが」
ブシュブシュとハンターたちの手首や肩、腹から血が噴き出した。
「なっ……！？」
肉を削いだのは、鋭い目つきをした、サングラスの男とは別の男。
「おいおい、病犬。んなことしちまっていいのか？」
「へへ、煩かったもんでよ……梟、そのガキ包んじまえ」
「了解」
病犬、と呼ばれた男は楽しそうに笑い、口元の血を拭った。鋭い牙が端から見えた。
「て、てめェ……」
「無理して喋ることねーよ、毒で力が抜けるだろう？あ、梟ォ、こいつらオモチャにしていいか？」
「いいぜ。ボスもまともに立ち会う気は無かったらしい。……ま、リヒトを手に入れたのは儲けもんだな」
梟は何処から出したというのか、鼠色の風呂敷を広げると、ぴくりとも動かない少年を包んだ。それは小さくなってポケットに収まってしまった。
「さて、オレは競売品の移動をしてくる」
「競売品？まだ会場に送ってなかったのかよ」
「いや、移動命令だ。……ノストラードの予言らしいぜ」
「あの娘の予言か……なるほどな。てことはオレたちの出番もあるかもなぁ？」
「そうかもしれない。あまり遊び過ぎるなよ」
おう、と頷いて病犬はハンターたちを担いで部屋から出て、梟は窓から飛び出した。
*
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藤原 黎明 - 藍季さん» 藍季さん、優しい言葉をありがとうございます…！はい、無理せず色々のんびりやっていこうと思います！続編も出せましたので、是非に！楽しんでいただけたら嬉しいです(o^^o) (2020年3月2日 12時) (
レス) id: ed76ed8c0c (このIDを非表示/違反報告)
藍季(プロフ) - お身体はもう大丈夫ですか…？無理をせず、健康第一で更新頑張ってくださいね。ずっと応援しています！ (2020年3月2日 12時) (レス) id: 183bdc47fe (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - 神織さん» 神織さん、コメントありがとうございます！お褒め頂いて嬉しくも、更新ナメクジで申し訳ないです(泣) たまに思い出したときにでも覗いて楽しんでくれたら幸いです！ (2020年3月1日 23時) (レス) id: ed76ed8c0c (このIDを非表示/違反報告)
神織 - めっちゃ面白いです！ 何で名作って更新停止されてるの多いんだろ(ﾎﾞｿｯ (2020年2月9日 10時) (レス) id: a6841af2ef (このIDを非表示/違反報告)
藤原 黎明 - 樹-KI-さん» ありがとうございます！すみません、最近誤字りまくってます汗 これからも頑張ります〜！ (2020年1月7日 13時) (レス) id: 2fc4486bb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤原 黎明 | 作成日時：2019年6月7日 23時
