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第五十話「もっとずっと」 ページ1

太宰side








天気が良かった空は雨が降り出した。




隣に横になっている少女をちらりと見る。




そして自然と笑みが零れる。





彼女は拒否しなかった。







────“僕の為に生きればいい”






駄目元で伸ばした手を彼女は取ってくれた。



嬉しかった。



何よりも彼女は僕がいるから生きていられるという事実に顔のニヤケが止まらない。





「……A」





彼女の本当の名を呼ぶと嬉しそうに返事をする。



……欲を云えば魂が入れ替わる前のAに逢いたかったのだが。





『……ん』





寝返りを打った彼女に布団を掛ける。



僕を抱き締めたあと、疲れて寝てしまった。



本当に愛おしくて堪らない。





「……」





明日はもっとずっと一緒に居よう。



一時も離れずに……




太宰はそう心に決めて彼女を抱き締めて目を瞑った。





.

第五十一話「決行日」→



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作者名:らしろ | 作成日時:2020年8月10日 1時

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