漆黒の狗は原作を知らない為困っているそうです4【文スト】【芥川成り代わり】

第百五十七話『成長シテイルトハ』 ページ46

それから急遽､太宰が飛び入りでお出かけに参加した｡

心の底では感謝していた｡もし久作の異能が誤って発動した時の保険として太宰がそばに居るのは心強かった｡


ウィンドウショッピングや喫茶店などに行って楽しんでいた……



……否､




久｢やっぱり､Aは黒より白が似合うよ！もう！太宰さんのセンスは最低だね！｣



太｢そんなヘンテコな人形を持っている君には云われたくないよ｣



久｢……わぁ〜ん！A〜！太宰さんがぁ｣



太｢……Aちゃぁん！私､この子のお守だけは絶対に無理だよぉ〜｣




何かあれば久作が芥川に泣きついてくる｡
何かあれば太宰は芥川に抱き着いてくる｡


全く楽しめておらず､太宰と久作は云い合いばかり




久｢なら､早くどっか行ってよ｣



太｢抑も君がAちゃんと出掛けなければこんな事には｣



『判った！！判ったから落ち着け二人とも！』




顔を見合わせれば口喧嘩｡まるで太宰と中也を相手しているような面倒臭さと疲労が芥川を襲う｡




『もう購い物も十分したし……もう夕刻だ｡帰るぞ』



太｢私はまだ物足りない！君とはもっと夜……否､朝まで……｣



久｢うるさいなぁ､太宰さん！Aは仕事があるんだよ？体調に気を遣うのも紳士の務めでしょ？｣



『久作……っ！』




いつの間にかこんなにも成長しているとは……
感動していると太宰から殺気が滲み出ているのを感じた｡




太｢……そうだねぇ｡それに子どもは早く帰って早く寝ないといけないしねえ〜｣



久｢……僕はもう子どもじゃないんだけど｣



太｢Aちゃんを無理やり引っ張り回して我儘を云っていた姿は子どもだろう？｣




さらにヒートアップするであろう終止符を打ったのは､芥川の携帯電話の相手だった｡




『……首領が､早く帰っておいでと』



太｢……よしでは､久作を送り届けて私達は飲みに行こうよ！｣



久｢抜け駆けは狡い！卑怯だ！｣



『……僕は今夜も任務が入っている｡故に包帯木乃伊とは飲みに行かぬ｡安心しろ､久作』



久｢わぁ〜い！！｣



太｢……ちぇっ｣




終始不機嫌な太宰を他所に久作は芥川にベッタリでニコニコしながら帰路につく｡




『……楽しかったか？』



久｢うん！とっても！また遊ぼうね！｣



『……あぁ､また』




本部に着いて久作と別れる｡
彼はご機嫌に自分の戻る場所へと歩いて行った｡


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