第百四十四話『何カノ間違イ』 ページ33
────二十分経過
『……』
物陰に突っ立って乱歩を待って暫く経ったが、一向に来ない
抑も彼は何の用で此処を訪れたのか。なぜ彼は自分を連れてきたのかは全然判らない
『……もしやまた巻き込まれているのか』
勘弁してくれと頭を抱える前に「お待たせ〜」と呑気な声が近づいてきた
乱「そんなに自分の人生を悲観的に捉えないの!」
『……誰の所為で悲観的に捉えるようになったか』
全ては探偵社の所為だぞ。このままお前達がまた何か巻き込むのであれば匿名で訴えてやる。
……何をどう訴えるかはまだ考え中だが
『ところで僕をここに連れてきた理由は?』
乱「君が必要なのはここじゃない!次の場所だよ!」
『……一番来たくない場所に連れてこられ、僕は用無しとは。乱歩さんであれ僕、怒りますよ』
乱「そんなつもりはなかったんだけどね。仕方ないさ!」
『……僕、こう見えても裏社会の幹部なのだが』
顔の知られている指名手配犯が間違っても警察署へ来てはいけない。
即刻逮捕だ。問答無用で手錠をかけられてしまう。
『……というか、次の場所……?』
まだ何かあるのかと気づいた時だ。
乱歩は芥川の持っていた小説を指差しでニヤリと笑った
乱「僕に付いてきてくれたらその小説の謎、解いてあげる」
『ぐっ……ついて行きます』
自分じゃあどうにもならないこの小説の謎を解いてくれるのはとてつもなく有難い。立原にはドヤ顔をしながら謎解きを披露したかったからとても嬉しい。
『……しかし何故、乱歩さんは
乱「あー、国木田がいるから逢いに来た。元気なさそうだったが生きてたからよかった」
『ほぉ国木田が……。まぁ生きていたのならよかっはぁ!?国木田ァ!?』
驚いて乱歩を見るがキョトンとしていた
いやいやいや、なぜ国木田が警察署に居る?元気がない?けれど生きていてよかった?如何いうことだ!?
『な、なぜ国木田が!?け、警察署に仕事で?』
乱「ううん、留置所」
『……りゅっ、留置所?太宰さんではなく?』
乱「うん。国木田が留置所に入ってる」
『……何かの間違いでは?』
乱「……容疑は“殺人”。ウイルス異能者を捕らえに向かったらドストエフスキーに嵌められた。」
とんでもない事実に開いた口が塞がらない。
乱歩はどこかへ向かう途中、その時の状況を説明してくれ、芥川は悔しくて唇を噛んだ
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第百四十五話『不振ナ人物ヲ発見』→←第百四十三話『世間ヲ騒ガセテイル怪作』
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らしろ(プロフ) - 乳酸菌 チーズさん» コメントありがとうございます。やっと続編に続きます。明日には5を公開できると思いますのでお待ちください!ご愛読ありがとうございます。 (2020年3月15日 13時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
乳酸菌 チーズ(プロフ) - 頑張ってください〜待ってますのでー! (2020年3月15日 3時) (レス) id: df6c59ac1d (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます。時間に余裕ができれば黒の時代もやりたいなと思っています。ご愛読ありがとうございます! (2019年7月1日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - いつか黒の時代も見たいです…… (2019年6月30日 22時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます。楽しみにしてくださると嬉しいです。頑張ります! (2019年6月22日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月22日 17時