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第百三十二話『相棒ナラバ』 ページ21

『……相棒』




ふと太宰さんと中原さんを思い出した
頗る仲が悪かったが互いの事を判り合い、無敵とも云われた“双黒”




敦「太宰さんが云っていた。僕達の関係は敵対同士ではなく、同じ目的を果たそうとする“相棒”だと」




それが自分と敦に当てはまるだろうか。敦は……敦の異能は強い。彼自身は強くないが……




敦「僕も太宰さんの言葉に賛成だ。僕達には相棒という関係が合っている。だから、“探偵社”とか“敵”とか思わずにもっと僕を信じてくれ」




否、撤回しよう。彼は強い。
彼の今までに見た事のない意思の強い瞳は初めてだ。




『……』




ならば自分は?意思も弱く、誰かに何かを云われなければ動くことの出来ない狗は、果たして敦に見合う相棒なのだろうか
原作の芥川龍之介ならば敦と対等に渡り合えていただろう。




『そう……か』



敦「……芥川?」




対等になればいいんだ。敦と同じくらいの力をつければこんなに悩むことも無いはずだ。
芥川は涙を拭き敦を見る




『案ずるな。必ず僕が貴様を潰せるよう強くなる』



敦「今の流れでどうやったらその結論にいきついた!?」



『その為にはやはりあの土人形を倒し、貴様と渡り合えるようにもっと強くなる』



敦「……お前もしかして、‘’相棒=対等に戦える相手”と勘違いしてないか!?」



『……?違うのか』




敦が今までに見たことのない呆れた表情を見せた。
どこに呆れる要素があったのか判らないが、取り敢えず落ち着いた




『よし、行くぞ人虎。こんなところでモタモタしてられぬ』



敦「……あぁ」




まだ納得していなさそうな彼を引っ張りながら戦場へと戻る
しかし戻ったのはいいもののそこには何も無い




敦「あれ!?何も……無い?」



『……進むぞ』




敵が逃げたのなら好都合だ。
しかし絶対にそれは有り得ない




敦「そこだ!」




敦が背後に現れた土人形を思いっきり殴る
怯んだところで羅生門を展開させる




『この土如きが!』




スパッと土人形の腕を斬り落とすことができた
しかし人形は再生する……エンドレスだ




『人虎、判ってるな』



敦「当たり前だ」




勢いよく敦が飛び跳ねる
黒帯を周りに蔓延らせ、敦は虎の足でゴンチャロフを惑わす




敦「(貰った!)」




その隙をついて敦が攻撃を仕掛けるが岩石によって吹き飛ばされてしまう


……しかし計算通り


ゴンチャロフの胸に羅生門が鋭く突き刺したのだった


.

第百三十三話『闘ウ理由』→←第百三十一話『泣イテルゾ』



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らしろ(プロフ) - 乳酸菌 チーズさん» コメントありがとうございます。やっと続編に続きます。明日には5を公開できると思いますのでお待ちください!ご愛読ありがとうございます。 (2020年3月15日 13時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
乳酸菌 チーズ(プロフ) - 頑張ってください〜待ってますのでー! (2020年3月15日 3時) (レス) id: df6c59ac1d (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます。時間に余裕ができれば黒の時代もやりたいなと思っています。ご愛読ありがとうございます! (2019年7月1日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - いつか黒の時代も見たいです…… (2019年6月30日 22時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます。楽しみにしてくださると嬉しいです。頑張ります! (2019年6月22日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月22日 17時

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