第百十四話『下手ニ動イテモ』 ページ3
敦「あくた……ゴホッ」
『判っている。貴様等も焦っているだろう。しかしそれはポートマフィアも同じ、時間が無い』
真っ黒の瞳が敦を映す
光も優しさも温かさもない冷たい瞳がそこにはあった
『社長を出せ。今すぐに』
敦「絶対に……社長は……殺させないっ!」
敦の手が虎化した時だ。ドゴッという音がした
音のした上を見ると何かが此方に落ちてくる
────落ちてくる?
敦「うわっぁあっ!?」
『ぐっ!?』
頭では逃げなきゃと判っていたが行動するのが遅かった
落ちてきたものは敦と芥川に直撃し二人は下敷きになった
?「敦さん、大丈夫ですか!」
敦「うっ、だ……大丈夫……」
『じゃ、ない……だろ。賢治、早く退け』
宮「芥川さんもいたんですね!よいしょ」
やっと重たいものが退いた
というか賢治はこんなにも重かったかと彼に視線を向けると左肩に何かを担いでいた
『ふ、福沢……殿』
敦「……あ、ちょっ賢治君!逃げ」
芥川は猛スピードで福沢の処へ駆け付ける
彼の表情は苦しそうで熱もあるようで息苦しそうだった
『……っ、何故……貴方までも』
芥川の見たこともない表情に敦と賢治は首を傾げた
すると他の探偵社員達も芥川達の元へ走ってきた
国「なっ、ここまで嗅ぎ付けて!」
与「やめな、国木田」
鏡「……A」
国木田は芥川の姿を確認し銃を出そうとしたが、与謝野に止められる
すると乱歩は一歩前に出た
乱「……ねえ、やめてよ。君までそんな顔したら福沢さん怒っちゃうよ」
『……乱歩さん』
泣き腫らした目の乱歩が芥川に近付いた
すると彼は芥川の頬を両手でパチンっと叩く
『……っ!えっ……』
乱「今から犯人を見つける。必ず見つけて社長と君のところの首領も救う。だから待っててよ」
『……待つなんて出来ぬ。僕も』
乱「君は下手に動いちゃ駄目だ……と云っても動くんだろうね」
コクっと力強く頷く芥川に乱歩は見透かした瞳を見せ笑顔で彼女の背中をバシバシ叩く
『必ずや首領と福沢殿の仇を討つべく最善策を見つけます』
乱「うん、頼んだよ。太宰がいない中、頭脳は君だけが頼りだ」
『……?任せて下さい』
乱歩は紙切れを芥川に渡して救急車へと向かう
他の社員達もそれに続く
『僕の連絡先だ』
敦「……えっ」
『やる』
敦に自身のメールアドレスと番号を書いた紙を握らせた芥川はその場を去った
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第百十五話『前ノ携帯ハ何処ヘ』→←第百十三話『避ケラレナイ』
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らしろ(プロフ) - 乳酸菌 チーズさん» コメントありがとうございます。やっと続編に続きます。明日には5を公開できると思いますのでお待ちください!ご愛読ありがとうございます。 (2020年3月15日 13時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
乳酸菌 チーズ(プロフ) - 頑張ってください〜待ってますのでー! (2020年3月15日 3時) (レス) id: df6c59ac1d (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます。時間に余裕ができれば黒の時代もやりたいなと思っています。ご愛読ありがとうございます! (2019年7月1日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - いつか黒の時代も見たいです…… (2019年6月30日 22時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます。楽しみにしてくださると嬉しいです。頑張ります! (2019年6月22日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月22日 17時