第百二十三話『負ケルノハ』 ページ12
『……同じですか』
森｢大切な部下を守る為､自ら行動せねばいけない状況だからね｣
辛そうな表情で微笑まれては芥川は何も云えない
これがポートマフィア首領としての結論だ｡幹部であっても首領を止めることは難しいだろう
『……判り……ました』
森をベッドに座らせて服を彼の前へ持ってくる
森と福沢が闘う｡あってはならない未来だ｡どちらかが倒れてしまったら街の均衡はどうなる？
……勿論､崩れるに決まっている
森｢そんなに悲しそうな顔をしないで､芥川君｡私が負けると思っているのかな｣
『……真逆｡貴方は負けません｡勿論､彼も────』
森は怪訝な顔をして首を傾げた
芥川は少し視線を下げて口を開く
『首領と福沢殿が同時に行方が不明になった時､あの鼠は確実な情報を欲する為､一定の場所から動かず､部下か内通者からの情報をもらい作戦を練るでしょう』
ならばその時間がフョードル・ドストエフスキーを捕える最大の
『負けるのはフョードル・ドストエフスキーです｡僕は全力で彼奴の住処を見つけ出し､木端微塵にします』
森は少しだけ微笑んで頷いた
芥川は一礼し､静かに部屋を出た
その数分後､ポートマフィア全体に首領が病床よりいなくなったと連絡が入ったのだった
━━━
━
────ピロリンッ
携帯の振動と共に可愛らしい音がした
懐に手を入れて確認する
申し訳ありませんが､△○倉庫へ来てください
また堅苦しい文だと思いながら溜息を吐く
送り主はもちろん敦｡やはり彼は芥川が苦手らしい
『……ったく､指定の場所まで距離がありすぎる｡莫迦なのか此奴は』
溜息を吐いて敦に電話を掛ける
『おい､貴様｡何故､僕が倉庫なんかに行かなければ』
太｢やぁ芥川君！君の可愛い声が耳元で聞こ｣
瞬時に通話を切った
何なんだあの元気の良い声は｡怪我していた変態の声ではないぞあれは｡
────♩♬♩♩♫♩♬〜
顔を顰めながら携帯の画面を見ると“中島敦”の文字｡しかし､電話に出るのは陽気な声の包帯野郎だろう
『もしもし､貴方は僕を何回揶揄えば』
敦｢あっ､芥川？｣
『……ちっ』
嵌められた｡太宰かと思って話したら真逆の敦｡彼奴､今度逢ったらぶん殴る
敦｢し､舌打ち……｣
『機嫌を損ねただけだ』
敦の怯えた声を聞きながら芥川は指定された倉庫へ向かって歩いたのだった
.
第百二十四話『君達ニ掛カッテイル』→←第百二十二話『何ガ最適解』
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らしろ(プロフ) - 乳酸菌 チーズさん» コメントありがとうございます。やっと続編に続きます。明日には5を公開できると思いますのでお待ちください！ご愛読ありがとうございます。 (2020年3月15日 13時) (
レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
乳酸菌 チーズ(プロフ) - 頑張ってください〜待ってますのでー！ (2020年3月15日 3時) (レス) id: df6c59ac1d (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます。時間に余裕ができれば黒の時代もやりたいなと思っています。ご愛読ありがとうございます！ (2019年7月1日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - いつか黒の時代も見たいです…… (2019年6月30日 22時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます。楽しみにしてくださると嬉しいです。頑張ります！ (2019年6月22日 22時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らしろ | 作成日時：2019年6月22日 17時
