第八十八話『嫌ワレテナイ』 ページ8
『……まあ、あれだ。
なんだかんだ云っても兄は妹のことは嫌いにならない、家族だからな』
ナ「……そう、ですよね」
『喧嘩は初めてか?』
ナ「……いいえ」
『ならいい。一言だけだ。“ごめん”と云ってその後は思いっ切り抱き着けばいい』
そう笑い掛けると少し驚いた顔をして満面の笑みで返事をした
ナ「不思議ですわ。本当に貴女はマフィアですの?」
『お前が“芥川A”と友だちになりたいと云っただろう?芥川Aはマフィアではない』
ナ「そうですよね……あっ、それと。“お前”ではなく、ナオミと呼んでくださいな。Aさん」
ニコッと可愛らしい笑みでスッキリした表情だった
『そうだな、“お前”じゃあ失礼だな』
腰を上げてナオミにケェキの入った箱を手渡す
不思議そうな彼女の顔に思わず笑った
『ふっ……それはあげるよ。兄と食べたらいい』
ナ「えっ!でも……」
『お前の兄に怪我させた詫びだ。それでも足りないがな……
それじゃあ。またな、ナオミ』
手を振って歩き出す
善かった、嫌われているかと思ったが嫌われてないようだ
……まあ、芥川龍之介は嫌いだと云われたが
『構ってくれない、か。最近銀に構ってあげられてないな
久しぶりに今度、一緒に家に帰るか』
ふっと口角を上げて携帯を取り出し早速、銀に確認を取ってみる
『 (偶には外で待ち合わせして外食もいいな) 』
後にこの行動がある人物を勘違いさせてしまう事態になるとは芥川は知らなかった
━━━━
━━
━
それからマフィアの本部に戻り廊下を歩いている時だった
樋「あっ、芥川先輩!尾崎幹部の部屋で女子会をしようと思うのですが、先輩も行きませんか?」
『……女子会だと?』
樋「ぜひ芥川先輩もご一緒に……」
『……因みに誰が来るんだ?』
樋「尾崎幹部が云うには、部下の女の子やエリス嬢が居ますが」
姐さんの部下か……それは困る
僕を女だと知っているのは数少ないし、バレたくないからな
『……樋口、誘ってくれるのは嬉しいが僕は男だ。女子会には参加出来ぬ』
樋「あっ……そう、ですよね……しかし!中原幹部もいらっしゃるそうです!」
『は?中原幹部だと?』
何で女の中に男がいるんですか中原さん
樋「……とても可愛い格好でした」
『……あぁ』
何かを察した芥川はそそくさと自分の執務室へ戻るのであった
.
第八十九話『文トイウ少女』→←第八十七話『オ友達ニナリタイ』
1027人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らしろ(プロフ) - Regulusさん» コメントありがとうございます。楽しみにして下さり嬉しいです。頑張ります(*^^*) (2019年6月19日 20時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
Regulus(プロフ) - このお話大好きです(*≧ω≦)続き楽しみに待ってます!更新頑張ってください(*≧∀≦*) (2019年6月15日 6時) (レス) id: 9c91fd3a1d (このIDを非表示/違反報告)
光牙(プロフ) - 私的には太宰オチがいいな〜。個人の意見なんで気にしないでくんさい。そして更新がんばれ!応援してます(^ー^)ノ (2018年12月11日 21時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - Lamia0495さん» コメントありがとうございます。オチはまだ未定ですが、色々考えてみます( ^^ ) (2018年9月12日 0時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
Lamia0495(プロフ) - 敦くんオチ…だったらいいなぁ… (2018年9月11日 20時) (レス) id: a731b4f87b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らしろ | 作成日時:2018年9月8日 18時