第××話『彼女ガ目覚メヌ間』 ページ48
太宰side
病院で泣きじゃっくった彼女を横抱きにして自分の家まで運んだ。
時折、彼女から発せられた“ごめんなさい”の言葉を聞きながら。
「却説……と」
彼女をベッドに寝かせて外套を引っぺがす
「……それにしても本当に軽い。ちゃんとご飯食べてるの」
ブツブツと云いながら彼女に蒲団を掛けて自分も外套を脱ぐ。
……うん、寝ている顔も可愛い。
「……今日くらいはいいよね」
彼女の隣に寝転んで抱き締める。
睡眠薬は結構な効き目だったからそう直ぐには起きない。
「……おやすみ」
小さく呟いてゆっくりと目を閉じた。
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───早朝
隣には大好きな彼女がいて非常に良き目覚め。
一時間ほど見詰めて、シャワーでも浴びようかと立ち上がり扉へ向かおうとした時だ。
「……え?」
グイッと引っ張られ、思わず振り返る。
そこには太宰のワイシャツを掴む芥川の姿が。
「……A……ちゃん……?」
起きたのか?もしやあれか?
行かないでください、と我儘を云うのか?
『……すぅ』
「……あ、寝てた」
期待を込めて振り向くが、規則正しい寝息が聞こえて項垂れる。
しかし何故だろうか。
ワイシャツを引っ張っても手が解けることがない。
「……本当に君は私を駄目にしてしまうよね」
優しく頭を撫でてあげると少しだけ口角が上がったように見えた。
……あ〜、可愛い
「……そんなに私と一緒にいたいのかい?」
ベッドに上がって彼女に覆い被さるようにして見詰める。
こんな事をしたって彼女は何一つ覚えていないけれども。
「……ふふっ、愛おしい」
彼女の額に
……危ない、理性が崩れるところだった。
「それにしても何でまだ離してくれないの」
ギュッと握られたワイシャツはシワがよっていた。
シャワーを浴びたいが彼女が離してくれない……
───結局、その場でワイシャツを脱いでシャワーを浴びた
━━━━━
━━
「さぁて、Aちゃんとイチャイチャを……」
彼女の寝ている部屋に戻った。
彼女は自分のワイシャツを抱き締めて眠っていた。
「……私のワイシャツ抱き締めてる?えっ?可愛すぎる。」
優しくしかし逃げられないように強く彼女を抱き締めた。
カーテンの隙間から少しずつ光がさす。
「……大好き」
彼女の目がピクリと動いた。
end.
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アニヲタ(プロフ) - 少し遅くなりましたが最近(?)20巻発売されましたね!私はもう…ショックが酷くて読んだ後一週間位病んでました笑更新再開ずっと気長に待ってます!無理の無いご自分のペースで書いてくださいね…!ずっとずっと待ってます! (2021年1月11日 22時) (レス) id: 71f36505fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» いえいえ、リクがありましたら可能な限り受け付けます。お時間が掛かるかもしれませんが、、、でっぷるは映画で一度見たきりなのであまり詳しく覚えてないです、、小説は友人に貸して帰ってこないんですよ笑 (2020年7月30日 3時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - 厭々!!!リク受けて下さるだけでも十分過ぎるのにぃ…マジで有難う御座います…!実は私もでっぷる編全く、これっぽちも知らんのですよねぇ...。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» コメントありがとうございます。でっぷる編ですが今、手元に小説がない状況でして書くことが出来ないんです、申し訳ないです、、、リク希望ありがとうございます。時間が掛かるかもしれませんが、受付致します。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - あのぅ…でっぷる編書くご予定はありますでしょうか…?若し無ければリクをしたいのですが… (2020年7月28日 14時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2020年3月16日 21時