第百八十三話『貴女ハドコマデ』 ページ26
────プルルルルルルッ
芥川の携帯から音が鳴り、画面を見る
そこには本来、掛けることができない筈の
人物の名前が映し出されていた。
『……もしもし』
「……ご無沙汰しています」
疲れ果てた声色が鼓膜に響く。
色んなことを聞きたかった。
しかし先に何を聞けばいいのだろうか?
『……しっかり食事はとってい……』
云い終わる前にハッと気付く
一体自分は何を……
「…………ふっ」
『笑うな丸眼鏡』
「……僕は大丈夫です。
それと、謝らなければならないことがあります」
『……別にいい。大方判っている』
「……一体どこまで?」
丸眼鏡───坂口安吾が異能特務課というのも
ミミックとポートマフィアに二重スパイをしていた事も
「否、それは聞かないでおきます……
……もう一つ、貴女にお願いがあるんです」
『……何だ?』
「今すぐにとある場所へ行って欲しい」
『……とある場所?』
「そこには織田作さんもいる筈です」
彼もいる。
これは原作で起こりうる出来事なのか?
芥川という存在がその場所へ行ってもいいものだろうか
『……何処だ?』
「……山間部にある十年以上前に廃棄された気象観測所です。
芥川君、痺れに効く解毒薬を……っグアっ!?」
『おい!大丈夫か!?返事を……』
────ツーツーツー
突然、通話が切られた。
こうしてはいられない、早く向かわなければ
芥川は資料を引っ張り出して安吾が云っていた
気象観測所について調べた。
探し出すのにそう時間は掛からなかった。
『……っ、無事でいてくれ』
日が落ちたヨコハマの街を羅生門を遣って駆ける。
途中、迷いながらもなんとか目的の場所まで
たどり着くことが出来た。
『……これは』
建物は爆発でほぼ全壊。
注意深く周りを見渡すと三つの黒い影が走っているのが
見えた。
『……待て!!』
羅生門を伸ばして三人をとっ捕まえる。
しかしそのうちの一人に見覚えがあり思わず目を見開く。
『……貴様は』
坂「……芥川君」
坂口安吾と二人の黒い武装をした人。
瞬時に判った。
異能特務課の者たちだ。
『…………仕事の邪魔したな』
坂「……っ、貴女はどこまで知っているのですか!?」
『……さぁな』
ゆっくりと羅生門を解いて歩き出す。
坂「彼に早く処置を……」
そう彼女に云い残し、安吾達は静かに暗闇へと消えた
.
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アニヲタ(プロフ) - 少し遅くなりましたが最近(?)20巻発売されましたね!私はもう…ショックが酷くて読んだ後一週間位病んでました笑更新再開ずっと気長に待ってます!無理の無いご自分のペースで書いてくださいね…!ずっとずっと待ってます! (2021年1月11日 22時) (レス) id: 71f36505fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» いえいえ、リクがありましたら可能な限り受け付けます。お時間が掛かるかもしれませんが、、、でっぷるは映画で一度見たきりなのであまり詳しく覚えてないです、、小説は友人に貸して帰ってこないんですよ笑 (2020年7月30日 3時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - 厭々!!!リク受けて下さるだけでも十分過ぎるのにぃ…マジで有難う御座います…!実は私もでっぷる編全く、これっぽちも知らんのですよねぇ...。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» コメントありがとうございます。でっぷる編ですが今、手元に小説がない状況でして書くことが出来ないんです、申し訳ないです、、、リク希望ありがとうございます。時間が掛かるかもしれませんが、受付致します。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - あのぅ…でっぷる編書くご予定はありますでしょうか…?若し無ければリクをしたいのですが… (2020年7月28日 14時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2020年3月16日 21時