第百八十二話『怒ッテル理由』 ページ25
ヒュッと芥川の喉が鳴った｡
冷たい目には怯えた顔の芥川が映っていた｡
太｢……はぁ､駄目だなぁ！本当にっ！｣
太宰は目を閉じて先程より明るいトーンで云った｡
重苦しい空気が嘘のように消え､不思議と芥川や黒服の
震えが止まった｡
太｢……ごめんね､怯えさせるつもりなんてなかった｡
ほら手当をするよ｣
『……えっ！あのしかし』
太｢では君達は死体を調べてね｣
｢……あ､あの死体の何をお調べしましょう？｣
はぁ？と呆れたように振り返って黒服を見る太宰に
芥川は焦ったように彼の外套を引っ張る｡
『……あ､あれですよね？靴底やポケットの屑
服などに付いている付着物……あとは､えっと……色々』
必死に言葉を絞り出した｡彼の黒服に向ける殺気が､憎悪が尋常じゃないのだ｡
太宰を押し出すようにして部屋から出して
芥川も黒服に素早く頭を下げて彼の隣を歩く｡
『……太宰さん､本当に申し訳ありません』
太｢……本当だよ｡誰が許可したんだい｣
『……すみません､今後はこのような事を
二度と起こさないようにします』
太｢頼んだよ｡君の体に傷を付けていいのは私だけだからね｣
……？？？？？？？
頭の中にハテナがたくさん浮かぶ｡
太宰の最後の言葉が今の会話にあっていないような
気がする｡
『……あの､怒ってる理由というのは』
太｢君の体に許可なく傷をつけた奴と
傷をつけるような事態にさせた部下と
私に腹を立てている｣
……なんか自分が思っているのと違うんですが｡
そう口に出そうとしてやめた｡
太宰の顔がそれ以上は何も云うなという顔をしていたから｡
『……すみません､ご迷惑をお掛けしました』
太｢謝らなくていい｡
私こそ､未然に防げた筈の事態だったから｡ごめんね｡｣
『……いえ』
それから口を閉ざして執務室へと向かった｡
幹部である太宰に傷の手当をさせるなど如何なものか
と思ったが､彼が芥川の手を離してくれなかった｡
『……太宰さん､名誉挽回させてください』
太｢……出来るの？｣
嫌そうな顔の彼に頷く
こんなところで諦めてはいけない｡
『必ずやミミック兵を捕らえてみせます』
森や黒服たちの話で聞いていたが､ミミックという
組織はかなり危険な奴らだ｡
このまま野放しにしておけばこの街が大変な事態になるのは
目に見えていた｡
太｢……頼んだよ｣
太宰は薄らと微笑んだ｡
.
第百八十三話『貴女ハドコマデ』→←第百八十一話『説明ガ欲シイナ』
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アニヲタ(プロフ) - 少し遅くなりましたが最近（？）20巻発売されましたね！私はもう…ショックが酷くて読んだ後一週間位病んでました笑更新再開ずっと気長に待ってます！無理の無いご自分のペースで書いてくださいね…！ずっとずっと待ってます！ (2021年1月11日 22時) (
レス) id: 71f36505fa (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» いえいえ、リクがありましたら可能な限り受け付けます。お時間が掛かるかもしれませんが、、、でっぷるは映画で一度見たきりなのであまり詳しく覚えてないです、、小説は友人に貸して帰ってこないんですよ笑 (2020年7月30日 3時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - 厭々!!!リク受けて下さるだけでも十分過ぎるのにぃ…マジで有難う御座います…！実は私もでっぷる編全く、これっぽちも知らんのですよねぇ...。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
らしろ(プロフ) - アニヲタさん» コメントありがとうございます。でっぷる編ですが今､手元に小説がない状況でして書くことが出来ないんです､申し訳ないです、、、リク希望ありがとうございます。時間が掛かるかもしれませんが､受付致します。 (2020年7月28日 18時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - あのぅ…でっぷる編書くご予定はありますでしょうか…？若し無ければリクをしたいのですが… (2020年7月28日 14時) (レス) id: a9a289fd68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らしろ | 作成日時：2020年3月16日 21時
