漆黒の狗は原作と違う為困っているそうです2【文スト】【芥川成り代わり】 (ページ12)

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第五十二話『バレテハイケナイ』ページ12

───…一週間後

……コンコンッ

樋｢……芥川先輩､失礼致します｡朝食を……え?｣

扉を開けた樋口は固まった｡何故なら……

樋｢……い､ない｣

フリフリの可愛いパジャマがベッドに丁寧にたたんで置かれていたが､芥川の姿と……

───白い外套だけが無くなっていたのだった

***

太｢……来てくれてありがとう｡Aちゃん｣

横浜の街中
白い外套に身を包んだ芥川は険しい顔で太宰の元へ歩いてくる

『今回ばかりは僕の手も必要と思いまして……ね』

太｢組合は君が“純白ノ番人”と知っている者は居ない｡バレてはいけないよ｣

『組合に勘づかれずに敦を救い出す……簡単ではありませんが､必ず成功させますよ』

決意の篭った瞳に太宰が映る
彼は彼女の意志に満足そうに笑った

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太｢んー､こっち?いいや……こっちかぁ｣

太宰はキョロキョロしながら街を歩く
遠くの方では爆発音や人の叫び声が聞こえるがそんなのお構い無しに､にこやかに進む

芥川は太宰の後ろにつき溜息混じりに口を開く

『……早く歩いてください｡貴方なら敦のいる場所はだいたい検討ついているでしょう』

太｢そういうAちゃんもだろう?｣

芥川は太宰を一瞥し顔を背ける
すると白い外套が急にうねり､芥川の上から落ちてきた看板を一瞬で粉々にした

太｢うわぁ､矢っ張り白い外套は凄いねえ｡主の危機にいち早く反応する｣

『だから白い外套を着た僕に逆らわない方がいいですよ?変に攻撃を仕掛けようとしたら……死にます』

太｢おや､私が殺せるのかい?｣

『ええ､白い外套を嘗めないでください｡確かに貴方の無効化には敵いませんが……白い外套に刀を持たせたら貴方は瞬殺されます』

持たせたことはありませんがね｡そう呟き太宰の横を通り過ぎ手で鼻を押さえる

『……血､硝煙､僕の苦手な臭いだ』

太｢おや､君の一番嫌いな匂いは消毒薬じゃ……｣

『お前のせいだろ』

そこでハッと芥川の顔付きが変わる｡太宰は不思議な顔で如何したの?と問う
芥川は何も答えずに駆け出した

太｢あっちょっ……ったく､君は昔から独走癖が酷いねえ｣

太宰は呆れながら呟き芥川の後を追った

ガスンッガスンッ!!と何かを貫いた音が聞こえ芥川はより早く足を動かす
路地裏を抜け目の前に倒れている人物を見て叫んだ

『……敦!!』

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