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第三十八話【入社試験】 ページ39

「あ」




全員が呆気に取られて敦君を見る。
彼は爆弾を見て冷や汗を流して叫ぶ。




「爆弾!爆弾!あと5秒!?」



────ピッ



───ピッ



敦君は焦って慌てた末、爆弾に覆い被さった。




『……おぉっ』




──ピッ



─ピッ



ピッ





目を瞑っていた敦君は恐る恐る目を開けた。




「やれやれ……莫迦とは思っていたがこれほどとは」



『なははっ!でも私はそんな敦君の思考、好きだよ!』



「まさか覆い被さるとはな」




口々に感想を云い合っていると敦君はまだ状況が判らないらしく目を点にしている。




「ああーん、兄様ぁ!大丈夫でしたかぁぁ!?」



「痛だっ!?」




あちらはあちらで谷崎兄妹がラブラブしてる。
敦君はそれを見てまたもやハテナを浮かべた。




「小僧」




国木田君が敦君を呼んで眼鏡を上げた。




「恨むなら中里を恨め。若しくは仕事斡旋人の選定を間違えた己を恨め」



『恨むって何さー?感謝しないといけないんだよ?
……って事で、敦君。入社試験、お疲れ様でした!』



「入社……試験?」



「その通りだ」




武装探偵社 社長 福沢諭吉
能力名“人上人不造”





聞きなれた声がして振り向けば探偵社の重鎮である福沢さんが立っていた。




「社長」



『お父さーん!』



「しゃ、社長!?お、お父さん!?」



「……娘が“有能なる若者が居る”と云うゆえ、その魂の真贋試させて貰った」




私は福沢さんに抱き着いて敦君に向かってニコリと笑う。
敦君は口を大きく開けて驚いていた。




『ふふっ、敦君を社員に推薦したんだけど、君は区の災害指定猛獣。保護すべきか社内で揉めちゃってさぁ。


……で、お父さん……否、社長の一声でこうなった!』




そりゃもうめちゃくちゃ頼み込んだ。
私が社員を引き入れるのは初めてだし、こんなにも熱意があるから試してみようと、福沢さんは了承してくれた。




「で社長……結果は?」




国木田君の声に福沢さんは静かに敦君を見た。




「……Aに一任する」




福沢さんは私の頭を撫でて社長室へと戻っていった。




『……おめでと、合格だよ』



「つ、つまり……?僕に斡旋する仕事っていうのは此処の……?」




確かめるように私に視線を向けた敦君に私は可笑しくて笑った。




『武装探偵社へようこそ!』




満面の笑みで両手を広げれば敦君は顔を青くした。



.

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らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時

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