検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:89,038 hit

第三十六話【爆弾魔立て篭り事件】 ページ37

『わあ、あれは高性能な爆弾だね。このフロアは軽く吹っ飛んじゃうなぁ〜』



「え”っ?そうなんですか!?」



「あの爆弾さえこっちに寄越せば俺が解除するんだが」



「織田さん……解除できるんですか?」



「まあな」



『流石は織田作。楽しそうだから私も一緒に』



「駄目だ」




直ぐに云われてちぇっと舌打ちをした。
全く……そんなに私と爆弾を近づけさせたくないのかな!?




「中里、織田、無駄口を叩くな。
先ずはあの爆弾魔が人質にとっている事務員の救出が先だ」



『ナオミちゃん救出作戦。じゃ、手始めに国木田君。ゴー!』



「何を云ってるんだ。ここは織田が適任だろ」



『あー、責任を織田作に丸投げ〜。酷ぉい、国木田君。
それでも君は探偵社の社員なの?ここは一つ、有望な未来の私と敦君に君のたくましい背中を見せて欲しい!』



「……ぐっ、そこまで云わんでいい!」



『なはは〜、国木田君が顔真っ赤!可愛い〜』




瞬時に国木田君の拳骨が飛んでくる。
全く……一日に数回私に拳骨しないと彼は気が済まないらしい。




『じゃあここは公平なジャンケンで』



「公平なのか?」



『公平だよ、織田作!これは運任せだからね!』



「結局、運だろう!?」



『細かいこと云ってると禿げるよ国木田君。ねっ、敦君?』



「ぼっ、僕に振らないでください!」




焦った顔で首をブンブン振る。
僕を巻き込むなという顔をしていて面白かった。




『はいはい、ジャンケンいくよー!』



「最初はグー」



「お、おい。本当にジャンケンで決めるのか!?」



『じゃんけーん……』




━━━━━
━━





『なにやってんの国木田君』




ジャンケンで一発負けした国木田君が帰ってきた。

そりゃもう呆気なかったね。一分で帰ってきたよ。早すぎるよ。




「しょうがない、顔も異能も知られてるんじゃあ下手に動けん」



「なら顔も名前も知られていない奴ならいいんじゃないか」



『好い考えだね!流石は織田作ぅ〜』




イェイ!と織田作とハイタッチをしていると、みるみると顔を青くさせた隣の敦君。




「待ってください。この話の流れだと、ぼ、僕しか……」



『おっ、敦君の勘が冴えてる。さあ、行くのだ、敦君』



「頑張れ、応援してる」



「悪いな小僧、頼んだぞ」




半ば強引に敦君にそこら辺にあった鞄と新聞を渡す。
彼は物凄く嫌な顔をしてゆっくりと足を進めた。


.

第三十七話【という名の】→←第三十五話【天才ではなく阿呆】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
110人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。