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第三十二話【覚えていて】 ページ33

『ん〜っ、ここの餡蜜美味しいんだよね!
ありがとう、国木田君!最高のデザァトだ!
君は私の神だよぉ!』



「都合のいいことを云うな。ったく、この忙しい時に……」



「……ふぁ」



『敦君、大丈夫?お茶漬け食べすぎて眠くなってない?』




てゆーか先刻の国木田君が敦君を取り押さえるシーンは笑った。
そして今後の国木田君の脅し材料として撮影した。




『こっからは私の番だね』



「ようやくやる気を出したか。お前も本気を出せば」



『またお説教ぅ?萎えた』



「仕事をせんか!!」





ゴンッと国木田君からの拳骨をくらい頭を押さえる。
全く……美女に対して少し暴力が多いぞ国木田君!




『判ってるよ。よぅし、行こう敦君。
約束通り虎の捕獲に付き合ってもらうからね』



「ほ、本当に行くんですね」




若干、嫌がっている敦君を引き摺って国木田君に紙切れを渡す。
そして倉庫へと足を運んでゲェムをする。
これで舞台は整った。あとは彼が虎になるのを待つのみ。




「中里さん、それ……ゲェム?ですか?」



『うむ、最近新作のサバゲーが出てね。一日でクリアしたよ』



「……サバをクリア??」



『うーん、君には難しかったかなぁ』




目線はゲェム機を見て言葉を交わす。
何度もやっているがやっぱりゲェムは飽きない。
めっちゃ楽しい〜




「……本当に此処に虎は来るんでしょうか」



『絶対に出る。嘘は吐かないよ。それに虎が現れても心配ない。
私は“武装探偵社”の期待の星だからね』



「……いいですね。自信のある人は。僕なんか……」



『あっ!待って!云わないで!めっちゃいいところ!
ボスきた!エリア大ボス来たよ!?』



「……え、えぇ……?」




敦君の台詞をぶった斬り新たなゲェムに集中する。

言葉を遮るなんて最低な奴だが今はそれどころじゃない。
でもこんなところを国木田君に見られたら拳骨&説教だ。





『……別に君は要らなくないからね』



「……!」



『君を必要としている人は今ここにいる。それだけは覚えていて』




蹲っていた敦君が顔を上げた
それを合図に青い満月が雲から顔を出した




『君は優しいし強い。
現に見ず知らずの私を川から引っ張りあげてくれた。
臆病者はそんな行動はしないよ』




ふらりと立った彼は月を見あげる。




『だから私は君を救いたい。
弱者に手を差し伸べ、前向きな君を』




唸り声を出し始めた彼を見てゲェムの電源を切った


.

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らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時

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