第十七話【今度こそ】 ページ18
でもだからって如何しろと?
これは喧嘩なのか?仲直りをしないといけないのか。そもそもこれが喧嘩と云えるのか?
『如何すれば仲直りってなるの?
ごめんねを云えば仲直りじゃないの?』
乱歩君に謝ったけど彼は許した様子はなかった。
ならば許してくれるまで謝るしかないのか?
『……私って意外とコミュニケーション能力が低い?』
否、そんな事はない。
ただ“喧嘩”というものをやったことがないだけだ。
だから仲直りのやり方がわからない
『……お菓子で丸め込めると思ったのにな』
本音がポロリと出て横になった。
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……朝だ
いつの間にか寝ていたらしい。
下が畳だったからまだ良かったかなと思い蒲団に潜る
『……?蒲団なんて掛けたっけ?』
私が自分で掛けた覚えがないから多分お父さんだろう
優しいなぁと思いながらリビングに行くと
お父さんがお茶を飲みながら新聞を読んでいた
「おはよう、A」
『おはよう、お父さん。蒲団掛けてくれてありがと』
するとお父さんは不思議そうな顔をして私の顔を見た
「私じゃないから乱歩じゃないか?」
『えっ?そうなの?』
少し意外だ。乱歩君が私を心配して……
そういえば乱歩君の姿が見えない
「乱歩にお礼を言うといいが……先刻、出掛けて」
『何処に出掛けたの!?』
「行き先は何も云っていなかった。急いでいる様子だったが」
そんなに私と顔を合わせるのが嫌なんだろうか?
ギュッと心臓が握りしめられたように辛い、苦しい。
「……きっといつもの駄菓子屋だろう」
『……私も出掛けてくる』
着替えようと自室に行こうとした時だ。
お父さんが私の名前を呼んだ。
「A、もし何かに行き詰まった時はその場で立ち止まり、
己の行動を思い返せ。
それでも解らぬ時には第三者になって思い返せば、
自然と自分の行動が如何だったのかが判る」
お父さんの言葉に私の足が止まる。
────そうか
『……乱歩君の気持もだけど、第三者になってその時の状況を考えて……』
「……誰しも他の心は理解できない。
しかし寄り添い、理解しようと努力することは出来る」
私は強く頷いて急いで部屋に行って着替えて外に飛び出す。
あの時、乱歩君が何で怒っていたのか少しだけ判った気がする。
『……今度こそ』
外套を羽織って勢いよく家を飛び出した
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らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時