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第十二話【昔みたいに】 ページ13

「ピンクのフリルと白のフリルどっちがいい?」




『シバキますよ。森医師(せんせい)





首領の部屋に入った途端、彼からこの質問だ。なんかもう厭になる。此処にお父さんを連れてきて盾にしたい





「そんな寂しいこと云わないでよぅ。昔はあんなに可愛かったのに……」




『昔は昔、今は今です。それで私を連れてきたのは勧誘ですか?態々、太宰君や織田さん達を遣ってまでやることですか?』





すると私の後ろにいた三人が目を見開く
そりゃそうだ、こんなにも親しく話している二人に驚いているのだろう





「鴎外殿、この娘とは知り合いなのかえ?」




「旧友の義理の娘でね。もう本当に可愛くて可愛くて」




『シャラップ』





顔はデレデレ、昔と何も変わらない森さんがいた
てか貴方、ロリコンだよね?私の年齢知ってる?十五だよ?なんでそんなに私に甘いの?




「昔みたいにリンタロウって呼んでも」




『絶対に厭!……でもケェキをくれたら考えてあげなくもないけど?』




「ケェキなら幾らでもあるよ〜!食べるかい!?」




『本当に?ありがとう!リンタロウ!』





黒服達が続々とケェキを運んで来て、お洒落なテーブルクロスの掛った長机には大量のケェキが並んだ





「それでねぇ、Aちゃん。お願いがあるのだけど」




『内容による……何?』





ケェキを目の前にうずうずが止まらない
早く食べたいのにリンタロ……森医師は私のフォークを持っている為、少し不機嫌になる





「此処に来た本当の理由と、異能開業許可証のことで……」




『理由なんかどうでもいいの!異能開業許可証は夏目さんに聞いて!私は関与しないんだから!』





フォークを奪い取ってケェキを一口食べる
どうしてこうも人間って欲深いのだろうか
何も求めず唯、平凡であればいいじゃないか





「えぇ……困るよぉ……」




『じゃあ此処に来た本当の理由は話してあげる』





カシャンと空いた皿の上にまた皿を乗せる
鋭い目付きでナイフを握り刃の部分を下に向ける





『太宰君に聞きたいことがあったから此処に来ただけ』




「……太宰君に?」




『よい……しょっ!』





ガンッ!とテーブルにナイフをぶっ刺す
その音に誰も驚かなかったのは流石はマフィアだ。しかし皆、眉を顰めて警戒心は解かない





『いい加減出てきたら?太宰君』




「────バレてたか」





テーブルの下に隠れていた黒い影に数名が驚きの声を上げた


.

第十三話【久し振りの再会】→←第十一話【重なる姿】



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らしろ(プロフ) - 有栖川.さん» コメントありがとうございます。可愛いと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります、引き続きお楽しみ下さい! (2020年5月26日 21時) (レス) id: 2b7c5de986 (このIDを非表示/違反報告)
有栖川.(プロフ) - 織田作、、可愛い…。更新頑張ってください!! (2020年5月26日 19時) (レス) id: 365395094b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らしろ | 作成日時:2019年6月21日 18時

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