第三十一話『告ゲラレタ言葉』 ページ32
そろそろ終盤
紅葉が何時呼んでもいいように芥川はそっと三人に近付いていた
紅「──戻るのじゃ鏡花、そなたは闇の花。闇の中でしか憩えぬ」
鏡「違う、私は闇の花じゃない」
紅「……恨むぞ小僧、あの子は光に目が眩んでおる。貴様が見せた光じゃ。しかし幸いまだ手はある」
紅葉が芥川の方を見て微笑み
口を開いた
紅「おいで、芥川」
鏡「……!?」
敦「あっ、芥川!」
『なんだ人虎、まだ喋れる気力があるのか』
松葉杖をつきながら敦の前に立つ
彼は驚愕した顔で彼女を見つめた
『……久しいでも無いか。殺られる覚悟は出来ているか』
敦「お前……ッ」
『鏡花、人虎が居ない探偵社は居づらいだろう?お前の所為で殺されたとあれば尚更』
羅生門を揺らしながら刃を作り、彼の首元に向けた
鏡「待って、判った……戻る、だから」
紅「凡てそなたの為じゃ、孰れ判る時が来る。芥川、後は任せたぞ」
紅葉は鏡花の手を掴み歩き出す
敦「ぐ……芥川……」
『少しは黙れ、よく見ていろ』
羅生門で強引に敦の頭を持ち上げ
歩いて行く二人の方へ視線を向ける
鏡花は紅葉に近付いた
トサッと傘が地面に落ちた
紅「……!」
紅葉の顔が歪んだ
鏡花が隠し持っていた短刀で彼女を刺したのだ
紅「流石じゃ……鏡花、まるで殺気を……感じなんだ」
鏡花は左手を上げた
その手には紅葉の携帯が握られていた
鏡「明るい世界を見た。知らなかった頃にはもう戻れない」
紅「……それを使うな鏡花、使えばそなたは」
鏡「“夜叉白雪”私の敵を倒して」
────ガキィィイイイッ!
夜叉と夜叉とがぶつかり合う
凄まじい勢いで周りにある物が次々に切り刻まれる
傷の痛みに耐えながら夜叉を見つめる敦
芥川は松葉杖で傷を叩いた
敦「あっぐ……」
『こんな怪我、虎なら再生出来るだろう?』
敦「……っ、僕はお前とは戦わない」
『……じゃあ此方からいかせてもらう』
ズドッ!っと容赦なく羅生門が敦の腹に突き刺さる
呻き声をあげ彼女を睨む敦
敦「……鏡花ちゃんは光にいるべきだ。それはお前も判っているだろ」
『その意志は何処まで強いものか……』
鏡「嫌──戻りたくない、それでも私は──」
鏡花が狼狽え短剣を握り締める
そして紅葉から告げられた言葉はとても信じられない残酷なものだった
紅「何故なら夜叉は──そなたの両親を惨殺したのじゃから」
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らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» いいですね!私は忙しくてその日に食べれなかったです……(;_;) (2018年6月27日 14時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんの誕生日ケーキ食べましたよ(*´∇`*) (2018年6月25日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 私の一番の推しは太宰さんです!カッコイイですよね!! (2018年6月25日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんもいいですよね (2018年6月23日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 次巻に期待しましょう!それまで信じましょう(;_;) (2018年6月23日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らむしろっぷ | 作成日時:2018年5月19日 20時