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第二十一話『彼女ガ動ケヌ今』 ページ22

「毀損された──いや、自ら毀損したと云う方が正しいのかな?」



樋「……ッ、それは……申し訳ありません」




──ポートマフィアの首領
その男は食事をしながら近くにある書類を目にする




首「全身打撲、右腕右脚複雑骨折、頭を強く打って意識不明の重体……か。暫くは意識が戻らないかも知れないね」



樋「そんな!!」



首「……気を落とすことはない、君達は佳く頑張ったよ。確かに探偵社の襲撃に失敗し人虎の捕獲を謬り、輸送船を積荷ごと沈めたけど頑張ったから良いじゃないか。
頑張りが大事、結果は二の次だ、そうだろう?」



樋「……」




何も云い返すことが出来ず俯く
そんな彼女に首領は笑った




首「そうそう、作戦中に芥川君が潰した密輸屋──“カルマ·トランジット”の残党が手勢を集めているそうだ。

───芥川君への復讐だろう」



樋「!」



首「良いかね樋口君。マフィアの本質は暴力と貨幣とした経済行為体だ。何を沈めても誰を弒しても良い、だが

暴力を返されることは支出であり負債だよ」



樋「そんな負債などと──芥川先輩は是迄の任務で多大な成果を」



樋「確かに芥川君は優秀だ。彼女の頭脳と殺戮の異能は組織でも抜きん出ている。だから私は彼女を幹部にしたんだよ


───では君は?」



樋「……」



首「樋口君、君が自分がこの仕事に向いていると思ったことは有るかね?」



━━━




───ジャーッ



手を洗い終わりハンカチで手を拭く
そして鏡に映った人影に驚く
銀が樋口の首元に刃物を突き付けていた




立「予演はその位にしておけ、銀」



樋「“黒蜥蜴”……」



立「銀の野郎はそういうやれ潜入だ暗殺だっつう陰気な仕事が多くてな。上の勅令で身内の喉を掻き切るなんてしょっちゅうだ。本番は驚く暇もないぜ」



樋「上が私を始末する、と?」



広「今はない、だが明日は判らぬ」




広津の言葉に判りやすく反応して彼等の方を向く




樋「私を嘲いに来たのですか」



広「警戒を促しに来ただけだ私が貴女の立場なら暗殺者が枕元に来る前に身の振り方を考え直す。命を狙うのは上ばかりとは限らぬしな

首領直轄の遊撃隊である芥川君と貴女は我ら武闘派組を直に動かす権限が有る。いわば上司だ」




──それに加え、芥川は五大幹部の一人




広「……我らを傅かせるのは権限ではない。芥川君の持つ力への畏怖と崇敬だ。
樋口君、彼女が動けぬ今、貴女は我らが従いたいと思わせる何かが有るか?」



.

第二十二話『向イテイナイ職業』→←第二十話『変ワリ果テタ憧レノ』



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らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» いいですね!私は忙しくてその日に食べれなかったです……(;_;) (2018年6月27日 14時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんの誕生日ケーキ食べましたよ(*´∇`*) (2018年6月25日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 私の一番の推しは太宰さんです!カッコイイですよね!! (2018年6月25日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 太斎さんもいいですよね (2018年6月23日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
らむしろっぷ(プロフ) - りんさん» 次巻に期待しましょう!それまで信じましょう(;_;) (2018年6月23日 23時) (レス) id: 8b3e2d1361 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らむしろっぷ | 作成日時:2018年5月19日 20時

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