14回目の好き ページ15
先輩は私の言葉を黙って聞いてくれている
「最近、先輩に会うのが怖いのにすごくすごく会いたくて
たまたま見かけた時も声掛けたかったけどどうしても出来なくて
いつも通りの私ってどんなだっけって
どんな風に先輩と話してきたっけ？って
ここ数日ずっと水泳してたのだって先輩のこと忘れようとして、
先輩と澪奈先輩のこと邪魔したくないし、」
「ちょ、ちょっと待った」
ずっと話を聞いてくれてた先輩からいきなり声がかかったので何かと思って聞いてみる
「ごめん、俺、全然話が読めないんだけど…
一つ一つ紐解かせて
俺に会うのが怖いってどういうこと？」
「先輩の事考えるだけで胸が苦しくなります
私、おかしくなりそうで、先輩に会うのが怖いです」
「忘れようとっていうのもそういう事？」
続けて質問が来たのでその質問には頷いて答えた
「じゃあ、俺と影山の事って何？」
一番の問題についてきて思わず口ごもる
「先輩、澪奈先輩の事好きなんですよね
この間見ちゃったんです…
先輩が告白してるところ」
私がそう言うと先輩はしゃがみこんで項垂れ始める
「あれ、見られてたんだ…」
はぁっ、とめちゃくちゃ深い溜息を吐かれたので何かと思っていると
私を下から見上げる
「あれね、Aの勘違い」
え？
か ん ち が い ？
勘違いってどういうこと？
あれ、告白じゃない？
好きって言ってたのに？
私の思い違いって事！？
頭が混乱してどういう事なのか説明してもらおうと先輩を見る
すると何か吹っ切れたのか立ち上がって口を開く
「しゃーない。言っちゃうか
影山にどうしたらいいか相談してた
だって影山って水泳部じゃん
同じ部活だしたまにあいつの口から名前出てくるし、詳しく知ってんのかな〜って
翔に聞くより女の影山から聞いた方が早いじゃん？」
今度は私がちんぷんかんぷんでハテナがいっぱい飛んでいる
全くついていけない
そんなことはつい知らずに先輩は笑顔で続ける
「ちょうど良かったんだよ。
好きなやつの事、詳しく聞くのに
まぁ、自分で何とかしてって言われて何も聞けなかったけどな」
「待ってください、先輩やっぱり好きな人いるんですか
しかも、水泳部に」
まさか澪奈先輩じゃなくて他の人だったなんて
ってことは花恋先輩とか…？
はたまた違う先輩達？
「いるよ。
今、俺の目の前に」
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作者名：百舌 | 作成日時：2019年3月26日 1時
