好きよ好きよも、好きのうち。【3年A組】 (ページ11)

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10回目の好きページ11

クリーニングにだしていたジャケットを返すためにまた3年A組に行こうとしてた私、AA

どういう状態か分からないです

途中、先輩と会って挨拶したまでは全然いいんです

そこから私、どうなってると思いますか

何故か空き教室で先輩の！腕の！中に！いるんです

頭が追い付いておません
こちらからの報告は以上です。どうぞ

頭の中の通信を遮断して先輩に声をかけると顔を私に近づけて耳元で囁く

「んっ、」

その囁く声と吐息で少し体が反応してしまう

おそるおそる言われた通りに先輩の背中に腕を回すと廊下から数人が走ってくる音と声が徐々に聞こえてくる

「ねぇ、里見くんは！？」

「こっちに来てたよね？」

「ここの教室は？」

ガラッとドアが空いてすぐ静かに閉まった

「どっかのカップルがいちゃいちゃしてるだけだったわ」

「えーどこいったのぉ」

さっきの女子達はそのままどこかに行ったみたいだった

私の頭上からため息とやっと行ってくれたって声が聞こえた

もう少し抱きついていたいなぁって思ったのも束の間呆気なく離れた

「ごめんね、巻き込んじゃって
ちょっとしつこく追われちゃって」

「い、ぇ…」

突然の事で上手く言葉が出なくて首を横に振ることしか出来ない

なんでこんな時に声出ないの

「たまたまAがいて良かった
こういう対処法できる人他にいないし

本当に助かったよ。ありがとな」

そう言ってさっきまで私を抱きしめてくれた手で今度は頭をポンポンしてくれる

あぁ、私本当に先輩が好きなんだ

この人にもっともっと触って欲しい
この人と一緒にいたい

「あの！先輩、私…」

あと2文字
いつも言ってる言葉を言うだけ

なのにいつも言えてる言葉が出てこない

先輩はどうした？って顔で私が次に言う言葉を待っててくれてる

言わなきゃ。今、今。

す、と言う言葉と同時に教室のドアが思いっきり開いて2人でそちらを見る

入ってきた相手は机の上に置いた紙袋の中の制服の持ち主だった

「かい、せんぱい」

「お前らここで何してんだよ」

凄い顔でこっちを見ている

何をしてると言われても…

「俺が人に追われてるのをたまたま助けてくれただけだよ」

ふーん？と疑うような目で甲斐先輩が言うと

「じゃあ、A。本当にありがと！」

そう言って先輩は出ていってしまった

私まだ話してる途中だったんだけど…

まだ教室のドアの所で立っている甲斐先輩

「お前、里見のこと好きなの？」