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久しぶりの佐久間とのサシ飲みはそれはそれはすこぶる楽しかった。
相変わらずのやっと話がわかる人と話せる!というようなハイテンションな勢いで某美少女ゲームの無(理のない)課金の近況報告から始まり、今期のアニメの何が面白かったか、どこのシーンが良かったかの話や今話題の数年ぶりの某有名アニメ映画の新作の感想と話題が尽きなかった。
佐久間も到着したばかりは少しテンション低めだったけれど話が進むにつれどんどんテンション上がっていっていつも通り楽しそうにしていた。
大好きなアニメの話題で少しでも佐久間の憂鬱が紛れればいいなと思った。
…時折ふと何かを思い出したかのように悲しそうに目が潤んでいる時もあったけど。
「佐久間が元気そうで良かった」
悠然と微笑んでみたはいいものの、相変わらず佐久間はいつも通り元気なままでニカが話していたように元気のなさそうには見えなかった。
否、元気のない自分を見せようとしてなかったの間違いかもしれない。
彼がそう決めたのならその通りにしよう、と自分が思う優しさを選ぶ。
時に人は冷たいという時もあるけれど、自分はこの対応が優しさだと思う。
人が決めた事に自分が茶々を入れて掘り起こす事はない。
もちろん助けを求めてくれたら手を差し伸べるけれども。
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作者名:楓 | 作成日時:2021年6月12日 23時