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夏の夜。
ここは都会な方だから、対して星がきれいに見えるわけではないが、空を見るのが習慣のようなものだった。
夏でも夜に薄着をしていたら、私のような患者にとってはあぶないと言われることもある。
でも、せっかく過ごしやすい時間なのだ。
どうせもう一つのベッドは空いているから、私を怒る人もいない。窓を開けていても、最悪カーテンさえ閉めていれば何も言われないだろう。
窓に手を伸ばし、鍵に手をかけた時だった。
こんこん、という、お医者さんや看護師さんのそれよりも小さなノックが聞こえた。
新しい患者さんか。でもそれにしては遅い時間。訪問者にしても同じこと。
『. . .だぁれ？』
間違いなく私の部屋にされたものだったが、返事をしてもなかなかドアは開かず。
そー、っと静かにドアが開いて、部屋をノックした人が顔をのぞかせた。
泣いた痕だろうか、目の下が少しきらきらしている。
「よくわからないけど、ここに行けって、...おれ悪いことしてないのに...」
『そっか、...じゃあ今日はそこに寝る？』
もう一つの空いているベッドを指さす。
この子も訳が分からないまま入院が決まって、ここに来たんだ。
前まで隣にいた子は、どうなってしまったのか、私には知る術もなくて。
ただ今どこかで元気にしていたらいいな、と思うだけしかできない。ここに来るのは、そんなにいいことじゃないのはわかる。
この子はそんな風には見えないけれど、病気なんてわからないものだ。
柔らかな、明るい髪の色。
水色の、きれいな大きな瞳。
まるで天使のような男の子。
『今日はいっぱい、お話しよ？私、A』
こく、と控えめに首を振り、ベッドに腰を下ろしていた。
「おれは、なかむ、」
なかむ、なかむかぁ...。
忘れないよう、その名前を繰り返す。
これが、人間のなかむとの出会いだった。
.
.
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この出会いの数か月後に、私の前からいなくなってしまった、男の子。
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つきりと - かいぬ(kainu)さん» 返信遅れてすみません！もうめちゃくちゃありがとうございます！！ずごい嬉しいですほんとにありがとうございます！ちょっと頑張って毎日更新目指します...！() (2022年4月7日 21時) (
レス) id: 79b57cbffc (このIDを非表示/違反報告)
かいぬ(kainu) - 神すぎて神の“か”の字も出ないんですが！？！いや、もう神です(語彙力喪失)こういう系の作品好きなので本当嬉しいです！ (2022年4月5日 20時) (レス) @page9 id: 76cba1a158 (このIDを非表示/違反報告)
つきりと - 如月さん» わかりました！答えてくれてありがとうございます！！今日から一日一回更新に移りますね！ (2022年2月11日 11時) (レス) id: 79b57cbffc (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 一日一回公開がいいです！（楽しみは取っときたい派） (2022年2月11日 9時) (レス) @page10 id: d203b79d8a (このIDを非表示/違反報告)
つきりと - コトコトさん» 神作品...？！え、拙い文章ですが、そんな風に言ってもらえるなんて、ほんと嬉しいです...！！もう更新めちゃくちゃ頑張ります！！！！！(作者名は多分私透_ゆきさんの企画にいるからですかね！)コメントありがとうございます！ (2022年1月14日 23時) (レス) id: 79b57cbffc (このIDを非表示/違反報告)
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