49 〈トトロの話〉 ページ49
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「ケンチン見ろよ！トトロ！」
「オマエに可哀想って感情はねェのか……」
「えー？だって寝てる方が悪くね？」
Aもそう思うよなー？とわざとらしくAに同意を求める総長を前に、ドラケンは呆れた溜息を溢す。
東卍の集会場所として使われる武蔵神社には、秋の穏やかな陽気が差し込んでいた。
A自身も今の自分の状況を分かっていないのか、こてんと可愛らしく小首を傾げるだけで、決して肯定はしていない。
が、唯我独尊男の総長はそんなの知らぬ存ぜぬ。「ほらAもそうだって」「いや一言も言ってねェだろ」その自分に都合よく解釈すんの止めろ、とドラケンが釘を刺すが、万次郎は意に介した様子もなかった。
「ぱーくん、トトロ？」
「そうそう、トトロだよ。多分そのうち大欠伸してくれるよ」
「めちゃくちゃ寝苦しそうに見えんのはオレだけか？」
言いながらドラケンは同情するような目をパーちんに向けるが、それもその筈。
現在、石畳の上で大の字に寝ているパーちんの上には、万次郎の手によってあれよあれよという間に乗せられたAが居るのだから。
息をする度にお腹にAが食い込むのだろう。時折呻き声にも似た寝息を漏らしながら、しかし全くというほど起きる気配はない。これにはドラケンも「コイツもコイツだな」と思い始める。
「A、そのまま「貴方パーちんって言うのね！」って言ってみ」
「……あなた、ぱーちん、てゆーのねっ！」
「ブハッ！！……おいマイキー、それは反則だろ！」
「はいケンチンも笑ったから共犯〜」
思いの外高い再現度に不覚にも吹き出してしまうドラケン。
一度笑ってしまえばもう良いかなという思考に至ったので、その後は万次郎と一緒に悪ふざけに手を貸していた。なんという手のひら返し。ドリルもびっくりである。
散々Aにトトロのセリフを言わせて満足した二人は、まだ笑いの余韻を残しながらもAをパーちんの上から下ろした。そのまま万次郎の腕に抱かれ、Aはぎゅうっと彼の首元に抱きつく。
「ぱーくん、おきない……」
「コイツ昔から一回寝たら起きねーの」
「おいパー、良い加減起きろや。風邪ひくぞ」
「大丈夫だってケンチン。コイツ馬鹿だから風邪引かねェ」
「はっ、言えてるワ」
とは言いつつ、なんだかんだパーちんの腕を蹴って起こすドラケン。
やっと目を覚ましたパーちんは呑気に大欠伸をかましていたが、なんとなく残るお腹の痛みに首を捻るのであった。
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レモン - サイコーすぎんだろ‼️ 応援してます😆 (2022年7月2日 13時) (
レス) @page50 id: 97f09e59d6 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ぺたごんさん» ありがとうございます！今日中に続編に移行するつもりなので、続編もよろしくお願いします！ (2021年11月13日 8時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ぺたごん - すごくすき愛した だぁじに悶えてます 続編待ってます！ (2021年11月13日 1時) (レス) @page50 id: 660f048392 (このIDを非表示/違反報告)
無塩バター(プロフ) - ただのバカですさん» そうです三ツ谷くんです（笑）多分本文でも書くと思うんですけど、みつや→みつゃ→みちゃ 的な流れから、みちゃになりました。続きものんびり頑張ります！ (2021年10月23日 0時) (レス) id: aad7259adc (このIDを非表示/違反報告)
ただのバカです - みちゃ？あっ、三ツ谷くんの事ね。え！？可愛くねぇ？みちゃだよ？胸取れるわ。ムフフ続き楽しみに待ってます。 (2021年10月21日 7時) (レス) @page45 id: acf5fa610c (このIDを非表示/違反報告)
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