【pi】ムード壊すなって

ムードクラッシャー！ ページ9

「っ、ばか、何しとんの。」
ごつん、ぐーでおでこを押された。そして突然の暴言、これは私の事を心配していると受け取っていいのだろうか？？これがショッピなりの優しさなのだろう、そう思うことにした。
「ぬへへ、これ、渡すの忘れててん。」

はいこれ！なんて言って後輩から受け取った手紙をショッピに渡す。便箋の裏を見るショッピ、きっと名前を確認しているのだろう。だが中々見つけられないのか、それとも便箋の裏に名前を書いていないのか。どちらにせよ名前が分からないのだろう、この手紙を書いた子は紫田ノノカちゃんっていう子だよ。そう口に出そうとした時だった、私はよくよく考えてみる。紫田…？？？確かショッピの苗字も紫田だったはず。

たまたまなのだろうか。そう思ったが、私は気になりついついショッピに質問してしまった。
「な、ショッピって妹おったっけ？」
「は？」
何言ってんだこいつと言わんばかりの視線を私に向けられる。いや知ってますぅ！！長年一緒にいたし、妹も弟も兄も姉も居ない一人っ子ってことも知ってますぅ！！
そういえばと思い出してみたら、私に手紙を渡すとき全く頬を赤らめていなかった。余談だがショッピの幼馴染ということもあってか、よくショッピ宛の手紙を私が受け取り私がショッピに渡す。なんてことが多かった。よく私に手紙を渡す女の子は顔が赤かったり、少し涙目だったり。

でもノノカちゃんは、真顔で丁寧によろしくお願いします。とだけ言って教室に戻っていった。これが恋する乙女の行動なのだろうか？それにどことなーくショッピに似た雰囲気が感じ取れる。だから私はそんなノノカちゃんに興味を持ち話かけたんだ。

そんな小難しいことを考えるなんて自分らしくない、そう思い先程までの考察を全てもみ消した。
便箋に何も書いてないと分かったショッピは手紙を読み始める。あー、手紙で告白とか一回はされてみたい。普通の告白しかされたことないからな、と思うが告白されること自体有難いことなのだ。

そんなことを一人で話しているとどうやら手紙を読み終えたのだろう、リュックの中に平然として手紙を入れるショッピ。ラブレター貰っときっていつも「またか」みたいな反応をしていたと思ったんだけど。やはりおかしいのでは？そう疑問を持ってしまう、そこで私は究極の質問をショッピに投げかけてみることにした。


「ね、ね、ショッピ。紫田ノノカちゃんって知ってる？」
いやそもそも最初っからこう聞きゃあ良かったわ。

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