【pi】ムード壊すなって

ムードクラッシャー！ ページ15

身だしなみを整え、ふかふかのタオルで顔を拭く。スクバを取りに行こうとする途中、ママにお弁当を渡された。昨日は食べれなかったし、今日は委員会もないしゆっくり食べたいなあ。
とんとんと階段を上るっていく。迷いなく自室の扉を開け、忘れ物がないか確認するためにバックの中を覗く。すると、昨日は無かったくしゃくしゃになった手紙が入ってあった。
中を読もうと思ったが学校で読めばいいだろうという考えに至り、手紙をスクバに戻した。
急いで階段を駆け下り、ママから受け取ったお弁当を大事に抱えながらローファーを履く。
行ってきます！大きな声でそう言えば、行ってらっしゃい。なんて声が返ってくる。

ドアを開ければ、ふわーっと風がこちらに向かってくる。前髪折角整えたのに…昨日の夜は雨が降っていたらしい。その後か、乾ききっていない濡れたアスファルトがちらほらある。
雨上がりのじめじめ感も嫌いだが、やはり夏の暑さも負けてはいない。涼しい風が来たのはほんの少しの間だけ、ちょっとでも外に居れば汗をかいてしまう程だ。
新校舎ということもあってか、ご丁寧にクーラー付きのひんやりとした教室に行くべく足を速める。
途中でお友達と登校中のノノカちゃんと挨拶を交わし、だんだんと校舎が見えてきた。
門まで入ると私のクラスの下駄箱も見えてくる。その事実に嬉しくなり、足の動きが早まっていく。あまりにも急に足を動かしてしまったのか何なのか、足が絡まり派手に転びそうになる。

まーた転ぶのかよ私。今日治ったばっかりなのにまた傷が増えちゃうな、高畑先生に迷惑かけちゃう。何より、ショッピから怒られるなあ。手をついて怪我を防ぐなんてことも忘れ、痛みを待つ。ショッピの時もこんな感じに怪我したんだよな。
…しかし、痛みは来ない。あれれ、またもや誰かに助けてもらったのではないだろうか？バッと目を見開くと、私のお腹には細い指の手があった。

「ひえ…うわわ、あ、ありがとうございます。」
誰か分からないけど助けてくれたことには違いない、取り敢えずお礼は言っとこう。誰か確認しようと後ろを向くと同時に、助けてくれた張本人であろう声が聞こえた。
「頑張ってもその程度の悲鳴しかできないんだな、緒方。」

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皆様、台風の方大丈夫でしょうか…？ご無事を祈ります。
そして何日も更新サボって申し訳ありません…お気に入り90人突破ありがとうございます。

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